理系の「基礎」とは 岩下拓也

最近流行りの話題とはかけ離れていますが…

皆さんは基礎という言葉を見かけると、どのようなイメージを持ちますか?「簡単」とか「基本」と同じ意味だと捉える人が多いと思います。

日常的に基礎と使う場合には、上記のようなニュアンスで使うことが多いのですが、理系にとって基礎とは「本質」や「理論」を意味しています。つまり、自然科学を考える上で、土台となる部分を指します。よく大学で「基礎工学部」とか「基礎化学科」という学部・学科がありますが、決して簡単なことをやっているというわけではなく、その分野の理論を研究しているということです。「基礎研究」という言葉もその分野の理論=型となるものを作っていく研究という意味です。当然ですが時間もコストもかかります。そのような基礎研究の成果を評価するのがノーベル賞です。つまり、それだけ物理、化学、生理学・医学の理論を構築するのがいかに大変で、大きな功績であるかということを示しています。

皆さんも、基礎=本質を大切にしながら学習に励んでいきましょう。