パステル画?それとも油絵? 大音雅子

21日(火)、夜中の荒天も朝には回復し、無事スタートした中間試験も明日1日を残すのみとなりました。試験初日から今日まで続いている好天、全国では真夏日を記録するほど気温は上昇しているものの、抜けるような青空そして心地良い風…ずっとこんな天気であれば…と願ってしまいます。生徒たちも明日は試験終了の解放感から、この爽やかな天候を満喫するでしょう。ただ、答案返却で知った結果に気持ちが爽やかでない場合を除いては。

さて、私は今年度高2生の担任をさせていただいていますが、その高2生は2週間後に修学旅行を控えており、その旅行が気になりつつも、旅行を十分楽しむためにこそ試験に落ち着いて臨んできていると信じています。

そんな生徒たちと面談中、将来や進路についての話題になりますと「何をしたいかわからない」「したいことはあるけど定まらない」など、自分の将来への展望がまだ不透明で不安を持っている生徒も多く見られます。そんな生徒と話しながら、自分のこれまでの道を振り返っていると「若い頃はこれから!という希望がたくさんあっていいな、でも選択肢が多くて自由であればあるほど、かえって選べない、それは1つ決めるとその後の人生が決まってしまうような気がするから、真っ白なキャンバスに絵を描く第一筆目を定める怖さ、その一筆目を誤ると、その後修正が出来ないようなドキドキ感が、不安な気持ちに結びついていたような。その当時は、自分の描く絵がパステル調の水彩画のような気がし、色の選択誤ると後が大変、絵のイメージが変わってしまう…」そんな怖さを持っていたように思います。今この歳(何歳かはご想像にお任せいたします)になりますと、実は自分の人生絵図はパステルカラーの水彩画ではなく、色をどんどん重ねることで味が生み出される油絵なのでは…と感じてきています。(これはあくまでも個人の感想です!?)まだまだこれから私の人生絵図も変わっていくだろうという希望と不安を持ちつつ。

今、時空間を共有している生徒たちが、人生絵図の一筆目を勇気を持って描き、「アっ!ちょっと違った!」と思っても、「大丈夫、なんとでも修正がきくよ、それが味になるよ」と背中を押せる教員でありたいと思う日々です。

今回もたくさん書かせていただき「百人一筆で」はなく「百筆!?」になってしまいましたが、最後までお読みくださり、ありがとうございました。

しばらくしますと梅雨がやってまいります。しばしこの爽やかな青空や風を満喫いたしましょう。