合唱コンクールに向けて 片岡ちか

中学校のどのクラスも、今、毎年恒例の合唱コンクールに向けて練習の真っ最中です。中学校3年生は最後の合唱コンクールになるので、練習にいっそう熱が入っています。クラスで合唱をする、という経験は今後の人生でなかなかあることではないので、クラスで一致団結して、いい思い出にしてほしいなと願っています。

さて、合唱コンクールも体育祭と同じように、各クラスとも優秀な結果を残し、表彰してもらえるようにがんばっているわけですが、体育祭と合唱コンクールは同じようにはいきません。体育祭ももちろん各クラスで息を合わせて一致団結することが必要ですが、個人個人の特性を生かして競技に参加し、「クラスのために各人が最大限のパフォーマンスを発揮する」点が勝利の要となります。それに対して合唱コンクールでは一つのものをクラスみんなで作り上げるという作業になります。だから、できるだけ具体的な「完成形」のイメージをクラスみんなが共有するということがまず重要になってくると思います。

現代段階での練習風景を見ていると、声を大きく、とかハモるべき部分できれいにハモっているか、など部分部分の練習にいそしんでいますが、自分達の楽曲がどのように聞こえれば、一番映えるのかということを授業の中でご指導いただかなければいけません。そのためには声がなかなか出なかったり、毎回同じところで間違えたり、というような基本的な課題は早いうちにクリアしておく必要があります。

合唱の練習を通して、楽曲にふさわしいイメージを描き、そこに近づくには具体的にどうすればよいかという方策をできるだけ細かく立て、それをクラスみんなで共有する、という力を磨いてほしいなと思います。