「シケ単」世代       遠藤 徹

先日、家の本棚を整理していたら、偶然、懐かしい本を見つけました。

それは、私が高校時代に受験勉強のために使っていた英語の教材「試験にでる英文法」で、値段は630円(おそらく買った当時は高価だったかも)

たしか、「試験にでる英単語」「試験にでる英熟語」も使っていた記憶はあるのですが、それは見つかりませんでした。 その頃、友人の間では、それらは「シケ単」「シケ熟」「シケ文」と呼ばれ、よく友人と競い合って英語の単語や熟語を覚えたことを思い出します。

この「試験にでる英文法」のはしがきには、「最少の時間とエネルギーで英語の文法・語法を克服する本である。過去23年間の、大学入試の重要なデータから、重要度、頻度、応用範囲の広さをもつ約1000題を厳選し、これだけで合格できるという問題をそろえた。・・・」と書かれていました。「シケ単」「シケ熟」も同じようなことを書かれていたように思います。

現在、市販されている英語教材なら普通にある内容ですが、約40年前のものとしては画期的なもので、当時、この英語教材はベストセラーになり、多くの受験生の「英語のバイブル」ともいえる書物でした。しかし、今では、ほとんど本屋で見かけることはありませんが・・・。

次に、(左下写真)は、現在、信愛高校2年生が使用している、英単語の教材「キクタン」です。この教材のはしがきには、「音楽のリズムに乗りながら楽しく語彙をマスターしていくCDが用意されていて、耳と目からの「ダブルインプット」で、聴解力の向上も期待できる。」と書かれてあります。

今、あるクラスでは、毎朝、朝礼が始まるまでの数分間で、教室で自主的にCDを流して単語を覚えてます。 この教材に限らず、他の教科の教材についても、受験生が効率よく、また意欲的に学習できるように工夫がなされていて、私も生徒と一緒に覚えてみようかなと思ったぐらいでした。

ところで、この「キクタン」は、「英語」だけではないんですね。

本屋さんには「中国語」や「韓国語」の「キクタン」もありました。

実は、私は、「中国語」を習うのを趣味にしていて、(右下写真)の「中国語」の「キクタン」以外にも、NHKの「中国語」のラジオ講座を聴いたり、「テレビで中国語」という番組を見るのを日課にしています。信愛では今、高校1年生,2年生はSGHに取り組んでいて、社会課題に対する関心と深い教養,コミュニケーション能力,問題解決力等の国際的素養を身に付けています。私も,将来は、中国に限らず、近隣諸国の人たちと自由に会話し、コミュニケーションの場を広げたいと願っています。そして、年をとってからも、新たに語学を覚えることに挑戦してみたいという気持ちを持ち続けたいと思っています。

明日から、期末試験が始まりますが、テストの結果だけにとらわれずに、学習することで得られる知識・教養を大切に勉強に励んでほしいと思います。