There Is A Light That Never Goes Out

英語科の小川です。初めての百人一筆です。昨日私はロックのコンサートを観に大阪へ行って来ました。80年代イギリスで、パンク以降の代表的なバンドとして多くの人々から支持されつつも解散したザ・スミスのヴォーカリスト、モリッシーのコンサートです。私は高校時代にパンク/ ニューウェーヴと呼ばれていた(現在ではパンク/ ポストパンク、オルタナティヴ、インディーロックなどと呼ばれることが多い)音楽に夢中になりました。サウンドにも惹かれつつ、特に英語の歌詞に魅了され、熱心に読み込んだことが少なからず現在の英語教師としての自分につながっているのですが、最ものめり込んだものの一つが、モリッシーが書いていたザ・スミスの歌詞です。

The boy with the thorn in his side / Behind the hatred there lies / A murderous desire for love (The Boy With the Thorn in His Side)

The rain falls hard on a humdrum town / this town has dragged you down (William, It Was Really Nothing)

A dreaded sunny day / So I meet you at the cemetery gates / Keats and Yeats are on your side / While Wilde is on mine (Cemetry Gates)

And if a double-decker bus / Crashes in to us / To die by your side / Is such a heavenly way to die / And if a ten ton truck / Kills the both of us / To die by your side / Well the pleasure, the privilege is mine ( There Is A Light That Never Goes Out )

ザ・スミスの歌詞の魅力を簡略に伝えるのは難しいのですが、これらのフレーズに用いられている語彙や表現に目を通すと、通常のポップソングとは明らかに異質な世界が示されているのが見て取っていただけるのではないでしょうか。(生徒の皆さんは課題を片付けてから時間があれば、辞書を引きつつ意味を取ってみて下さい。下線部はユメタンやキクタンに載っている単語ですよ。)パンク/ ニューウェーヴと呼ばれていた音楽は文学との親和性が非常に高く、ザ・スミスの歌詞には文学に求めて得られるものと同質の、精神の深部の表現がありました。上に紹介したCemetry Gatesの一節にもあるように、モリッシーはオスカー・ワイルドの熱狂的ファンであり、彼の詞には至る所にワイルド的諧謔がちりばめられています。最近ではキャメロン前英首相が議会の答弁に引用したことでも話題になりました。このような英語の歌詞を読み込むことは、私に言語というものの豊かさを教えてくれました。英単語の辞書的な意味だけにとどまらないイメージやコノテーション(含意)、レトリック(修辞)とその効果、文脈の重要性、時には自虐的な切れ味鋭い皮肉や内省的なフレーズが伝えるイギリス的なもの・・・。

生徒の皆さん、毎回小テストをこなさなくてはならない英語の学習はなかなか大変でしょう。覚えなくてはどうにもならないという面が英語学習にはあります。しかし、ほんの少しでいいですから、想像力を働かせてみて下さい。熟語を作っているupやdownなどの語はイメージをまとっています。並びかえや空所補充で出くわす一文には前後のストーリーがあるはずですし、仮定法には憧れや後悔がこもっています。長文には流れがあり、その流れに沿って著者が皆さんに語りかけているのです。英語を単なる記号として詰め込む状態から一歩外に踏み出してみて下さい。私も一生懸命サポートします。そこには一生を費やしても味わい尽くせないような、無限の豊かな世界が広がっていますよ。