大村 寛之

久しぶりの投稿になります。
今日は最近、新聞やテレビなどで取り上げていただき、話題となっている(かもしれない)高校1年生が学年を挙げて取り組んでいる「まちなか再生計画with信愛生」について少し話したいと思います。

「まちなか再生計画with信愛生」とは、和歌山市が2030年度に完成を目指した「まちなか再生計画」に、本学の高校1年生が、「今を生きる女子高生の視点」や「将来の和歌山市を担う人材としての視点」から、まちなか地域の再生計画を考え、その意見を行政に届けようという企画です。

和歌山市は2035年度には2005年度と比較して28.2%もの人口減少(何と県庁所在都市で最大の減少率!)が予測されているだけでなく、高齢化も著しく進むそうです。そこで、この危機的な状況を打破するために案を練ろうと「まちなかで働く」、「まちなかで住む」、「まちなかで楽しむ」という3つのテーマの中から、班ごとに1つのテーマを選び、これまでに2回のワークショップを行いました。現在は、各班の案が少しずつ固まってきた所で、今後は、8月にフィールドワーク、10月には各班の取り組みをポスターにまとめてポスターセッションという形で学内でのプレゼン、年明けには、学内プレゼンで選ばれたいくつかの班が市役所の職員の方の前で発表するという、なかなかやりがいのある企画に育ってきています。

実はこの企画の言い出しっぺは私なのですが、そこには私自身のある思いが関係しています。信愛という学校は、素直で真面目な生徒に恵まれ、学習面での取り組みも年々整備され、進路保証という点で一定の成果を上げることができるようになりました。しかし、その反面、「みんなが進学するから、私も…」という進学する動機の面での弱さという点で気になることが時折あったのです。それが、一人一人の生徒に自らの興味関心や特性といった部分を意識し、こんな形で社会に貢献したいという志を抱いてほしい。また、やりたい仕事に就き毎日充実していると胸を張って言える、そんな人生を送ってほしいという思いへとつながりました。高校1年生は今年度の終わりに文理選択を行います。この「まちなか再生計画with信愛生」を通して、将来を意識し、主体的に選択できる生徒が一人でも増えてくれれば…と願っています。

さて、最近の信愛では、同じようなことを考える教員も多く、「まちなか」のみならず、様々な企画で生徒の興味、関心を刺激しています。本日は、SPP(サイエンスパートナーシッププログラム)の一環として、和歌山大学の先生をお招きし「天文少女になろう」と銘打って、天体望遠鏡を作成するという企画が実施されました。私のクラスの生徒も多く参加したので、見学にいきましたが、土星の輪も観測できるという能力を持つ天体望遠鏡を楽しそうに作っていました。これをきっかけに自作の天体望遠鏡で夜空を眺めるようになり、将来、宇宙の不思議を解明したり、これまでの天体望遠鏡の能力を大きく超える望遠鏡を開発したなどという生徒が出て くるかもしれないと思うとワクワクします。

信愛が「女子生徒にとって最高の学びがある学校」になることを目指して、教員も生徒も一丸となり、切磋琢磨しながら頑張っていきたいものです。