国語に関する世論調査

毎年実施されているのですが、今年も文化庁が9月24日に2012年度の「国語に関する世論調査」の結果を公表しました。
国語に関する様々な調査が行われているのですが、その中で、「誤用が目立つ慣用句の意味」として、「噴飯もの」「流れに棹(さお)さす」「役不足」「気が置けない」の4つで、本来の意味ではない回答が本来の使い方を上回る結果となっていました。
みなさんは、正しく分かりますか。
では、二択形式の問題でやってましょう。
「噴飯もの」a、おかしくてたまらないこと
b、腹立たしくて仕方ないこと
「流れに棹さす」 a、傾向に乗って、ある事柄の勢いを増すような行為をする
b、傾向に逆らって、ある事柄の勢いを失わせるような行為をすること
「役不足」a、本来の力量に対して役目が軽すぎること
b、本来の力量に対して役目が重すぎること
「気が置けない」a、相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい
b、相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない

どうですか? 正解はすべてaです。
ここにはある特徴があります。たとえば、「噴飯」は「フンパン」と読みますが、「フン」も「パン」も何となく怒っているようなイメージの音ですよね。だから、bの意味と誤解する人がいるのでしょう。同様の例として、「一瞥(イチベツ)」があります。これは、「ちらと見ること」で、決して「見下して見る」というような意味はありません。でも、「ベツ」って音が、「蔑」を連想させるのでしょう。
また、「気が置けない」は「ない」という否定の語のために、何となくマイナスのイメージの言葉と思ってしまうのかもしれません。「役不足」の「不足」も否定語で、だから自分に対して使うと、謙遜のニュアンスがあるように感じてしまうのでしょう。

「なるほど、言葉って面白い」と思ったあなたは、すぐに誰かと「言葉」の話をしてください。別に「誤用が目立つ慣用句の意味」の話でなくてもいいのです。方言でも、若者言葉でも、何でもかまいません。是非誰かと「言葉の話」をしてくださいね。