後藤 幸子先生

私が、最近のニュースで気になっているのは、パキスタンの15歳の女の子、マララ・ユスフザイさんの報道です。彼女は、学校からの帰り道、タリバンによる銃撃を受け、危篤状態となりました。現在、意識は戻り、イギリスで治療を受けています。支えてもらえば立つことができるまで回復しているようですが、銃創は感染を起こすなど、いまだ完全な回復については何とも言えないようです。
マララさんは11歳の時に匿名で、武力勢力タリバンによる女子学校の破壊活動を批判、女性への教育の必要性や平和を訴える活動をしてきたそうです。パキスタン政府は、彼女の住むスワート渓谷からタリバンを追放した後、彼女の本名を公表し、「勇気ある少女」として表彰しました。その後も、彼女は女性の権利などについて公の場で語るなどしていました。そのため、タリバンから命を狙われる結果となりました。
このような現実と向き合っている女の子たちは、みんなと同じくらいの年の女の子たちです。勉強がしたいと思っているのに、自由に、胸を張って勉強ができない現実がある女の子たちです。私たちがこうして素敵な校舎で、素晴らしい環境で、勉強ができる環境が整っているということを思うとき、きっといろんな複雑な思いを抱く人もたくさんいるでしょう。私たちが楽しく友達と笑い合っている時も、真剣な目で単語帳とにらめっこしている時も、この世界のどこかで怯えながら、けれども強い意志と希望を持って勉強を続けようと志している友達がいるのです。
だからこそ、私たちはもっと世界のことを知らなければなりません。
もっと視野を広げて、自分の内から世界へ目を向けなければなりません。そうすることで、きっと私たちが今勉強をしていることの意味が明らかになるかもしれません。私たちの勉強に対する姿勢や将来に対する思い、そして毎日の過ごし方に対する意識も変わるような気がします。ニューヨークタイムズなどのウェブサイトなどで見られる、マララさんのインタビューの言葉に胸を打たれない人はいないでしょう。まずは皆さんも手始めに新聞記事を手に取ってみてください。
そして、世界で何が起こっているのかにアンテナを張り、しっかり考えてみる機会を持つようにしてほしいと思います。
さて、明日は合唱コンクール、大阪フィルハーモニーの音楽鑑賞会の日です。最近、もっぱら食欲の秋ばかりの私ですが(明後日は秋桜祭でまた食欲の秋が再び!?) 、明日1日は芸術の秋を満喫したいと思います。合唱コンクールを控えている高1生はこれまで一所懸命に練習してきた頑張りを存分に発揮してください! 皆さんの輝いている姿、美しい歌声を楽しみにしています。