主に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る

ヤコブよ、なぜ言うのか
イスラエルよ、なぜ断言するのか
わたしの道は主に隠されている、と
わたしの裁きは神に忘れられた、と。エルサレムよ
あなたは知らないのか、聞いたことはないのか。
主は、とこしえにいます神
地の果てに及ぶすべてのものの造り主。
倦むことなく、疲れることなく
その英知は究めがたい。
疲れた者に力を与え
勢いを失っている者に大きな力を与えられる。
若者も倦み、疲れ、勇士もつまずき倒れようが
主に望みをおく人は新たな力を得
鷲のように翼を張って上る。
走っても弱ることなく、歩いても疲れない。
『旧約聖書』「イザヤ書」40章27~31節

『旧約聖書』には、三大預言書というものがあり、「イザヤ書」はその一つです。イザヤは紀元前8世紀のユダ王国の預言者(神の言葉を預かり、人々に伝える者)で、バビロン捕囚を予見し、人々に警告します。結局、ユダヤ人がバビロンに強制連行されたというのは、前回のお話で述べたとおりです。
イザヤは今回の箇所で、人々に神を疑うことの愚を説き、神が我々に力を与えてくれる、ということを訴えています。
みなさんも、仕事や勉強をしていて、すごく疲れたなあ、と感じることが多々あると思います。そんなとき、どのようにして疲れを癒そうとしますか。美味しいものを食べる、温泉につかる、スポーツで汗を流す、元気の出る音楽を聴く……。いろいろ方法はあると思いますが、身近な人(親や配偶者、子供など)に誉めてもらったり、あるいは顔を見たりしただけで元気が出る、ということはありませんか。
もちろん、聖書では「主」という言葉で、神様のことを強調しています。しかし、聖書の文章も、自分の身の回りに当てはめてみると、意外と得心する部分が多いと思ってもらえれば、ありがたいことです。