「イエスがまだ話しておられると、十二人の一人であるユダがやって来た。祭司長たちや民の長老たちの遣わした大勢の群衆も、剣や棒を持って一緒に来た。イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接吻した。イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と言われた。すると人々は進み寄り、イエスに手をかけて捕らえた。そのとき、イエスと一緒にいた者の一人が、手を伸ばして剣を抜き、大祭司の手下に打ちかかって、片方の耳を切り落とした。そこで、イエスは言われた。『剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる』」
『新約聖書』「マタイによる福音書」26章47~52節
養蜂家の方の中には、もちろん防護服をきちんと着て作業される方もいらっしゃれば、ほとんど普段着のような服装で作業される方もいらっしゃいます。刺されないのか、と何かの取材で聞かれたとき、普段着の養蜂家の方は、「蜂は、こちらが危害を加えようとしたり、怖がったりしない限りは刺さない」と答えられました。犬もそうです。よく吠えられる人、というのは、犬を怖がったり、その縄張りに侵入しようとしたりすることで吠えられるのです。
このようなことは、人間同士の関係にも言えます。怖がったり、危害を加えようとしない限りは、相手から攻撃されることはありません。もし攻撃されるとしたら、こちらの感情が、相手を鏡として、自分の方に返ってくるのです。
イエス様は、自分が捕まりそうになっても、身を守るために武器をとってはいけない、と言っておられます。「剣(つるぎ)」とは当時にとってはポピュラーな武器ですから、武器をとったら武器によって滅びる、と言っておられるわけです。
ですから、みなさんも周囲の人には笑顔を向けましょう。感謝の気持ちを表しましょう。それが実は、自分に返ってくることになるのです。