響く言葉  藤原麻衣

1号館2階のエレベーター前の防火扉の裏側が、「聖書のひろば」として毎月模様替えをしている。
今は「旧約聖書 詩編 私の推し」として、「詩編」の中のお気に入りのフレーズをカードに書き出したものを掲示しているようだ。

「詩編」は1章から150章まで。手元の聖書で、訳150ページ。
この中から「お気に入りのフレーズ」を見つけるために、じっくり時間をかけて読んだのだろうか。ぱっと開いたページの言葉が運命だ!と探した人もいるかもしれない。誰かの「おすすめ」を自分の「お気に入り」にした人もいるかもしれない。

高1の現代文の教科書に「読む人の関心や姿勢で本に書かれてあるメッセージが変わるのだ」とある。「関心や姿勢」とは置かれている状況のことでもあるだろう。
何かからメッセージ性を感じるというのは、結局は自分の心の声なのだと思う。
しんどいときはしんどい言葉が目に付くし、がんばろうと思っているときは応援してくれる言葉を見つけるだろう。
だから、今日見つけた1節と、明日見つける1節はきっと違う。今日なんとも思わなかった1節に背中を押されるときがくるだろう。

詩編 36章 11節
あなた(主)を知る人の上に 慈しみが常にありますように。心のまっすぐな人の上に 恵みの御業が常にありますように。