「総合的な探究の時間成果発表会」を実施しました 大村 寛之

本日13:20より2022年度の「総合的な探究の時間成果発表会」をオンラインで実施しました。
ZoomのミーティングIDを1桁コピーし忘れて保護者の方を含めた何人かの視聴希望者の方々にご連絡してしまうというミスを犯していたことが開催直前で発覚し、どうなることかとハラハラしました。しかし、「リージョン探究」「グローバル探究」「キャリア探究」と各学年の代表班がここまでの取り組みを発表し、また1名のOGが「大学生活から振り返る探究活動」というテーマで、在校生にしっかりとエールを送ってくれるなど何とか無事に終了しました。ご迷惑をおかけした皆様本当に申し訳ございません。

本来ならば、このような発表会は、外部会場などを借りて対面型で行うべきなのかもしれませんが、新型コロナウイルスの影響でオンラインにせざるを得なかったことで、オンライン型の発表会のメリットもいくつか見えてきました。

まず、最大のメリットは地域を越え、多くの方々に視聴していただける可能性があること。今年度も大阪だけでなく、愛知、神奈川、東京の方々にも発表会を見ていただくことができました。地方にある小さな学校にとって、わざわざ来校していただかなくても、様々な立場の方に見ていただけるというのは本当に貴重なことだと思います。ただし、新しい学習指導要領の一つの軸でもある探究学習。探究元年として今年度から新たなカリキュラムを運営している学校もある中で、10年近く取り組んできた本学の経験を多少なりとも地域に還元したいという思いもあって実施しているという側面もあるのですが、地域の学校からは参加申し込みがないというのはなかなか切ないところです。和歌山では、まだまだ探究活動の位置付けは低いようです…

そして、もう一つのメリットは、生徒たちから質問を導き出しやすいこと。「ロイロノート」というアプリの提出箱という機能を用いて、生徒たちから文字で質問を吸い上げることで、指名制だったら質問しないだろうと考えられる生徒たちも自ら積極的に質問を投稿することができました。かつて事前に特定の生徒に挙手して質問するようにと言い含めていた時代があったことなど嘘のようです。

一方デメリットとしては、発表者が発表しているという実感に乏しくなることだと思います。聞き手の姿や反応が見えないと、どうしても一方的に話すだけになってしまい、表現力や発信力の向上に繋がりにくいような印象を受けています。
なかなか万事良しという訳にはいきませんが、まずは運営側である我々が常に探究しながら今後もプログラムを展開していく必要があるということだと思います。

生徒の皆さんにとっては、探究学習はなかなか負担の大きいものかもしれませんが、このような学びとこのような学びを通して身につけた資質は必ず未来につながるものだと信じています。高1、高2のそれぞれが次のプログラムに進んでいくことになりますが、先輩方の取り組みを意識しながら今後も答えのない課題にチャレンジしてください。