世界4大大会の一つ、ウィンブルドン選手権が7月10日で幕を閉じた。女子は、カザフスタンのリバキナ選手、男子は、セルビアのジョコビッチ選手が優勝した。連日、熱戦繰り広げられたことは、センターコートの芝生の傷みを見れば一目瞭然である。そして、ゲームセット後にお互いの健闘を称え、ネットをはさんで握手する場面はさわやかな一瞬だ。
優勝後のインタビュは、記者から戦いを振り返る質問とともに過去にも言及することがある。2016年8月のリオデジャネイロ五輪でアンディ・マレー選手が連覇を果たした際には、「初めて五輪で二つの金メダルを手にしたテニス選手になった」と言った記者に対して、「セリーナ・ウィリアムス選手とヴィーナス・ウィリアムス選手はそれぞれ4回金メダルをとっている」と指摘した。確かな視点を持って対応するマレー選手を立派に思う。
錦織圭選手や大坂なおみ選手が活躍するずいぶん前の話。同じように、日本の記者が元男子シングルス世界1位のロジャー・フェデラーにインタビュした際に「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか」と聞いた。その時のフェデラーの回答は、「何を言っているんだ君は? 日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」