卒業式  大村 寛之

3月1日。
この日信愛では例年高等学校の卒業式が挙行されます。今年度は、いつもとは少し違った形とはなったものの、無事に第70回の卒業式を行うことができました。高校3年生の学年団を代表して、少しご報告をさせていただきます。

コロナ禍における卒業式。もちろん全員がマスクを着用し、座席の間隔を確保するために在校生は不参加。また、卒業証書の名前の読み上げも代表者のみ。そして、信愛の卒業式の最後を飾る祝歌や卒業の歌は周囲を配慮しながら…。しかし、各家庭1名という制限はあったものの、保護者の方に卒業式に参加していただけたことは本当によかったと思っています。もしかするとこの形がこれからの卒業式のスタンダードとなってしまうのかもしれません。しかし、形は違っても、その場にいた全ての方々が、現状における最高の形で卒業生を送り出したいと考えてくださっているという雰囲気に信愛の卒業式の伝統が変わらず息づいていることが感じられる感動の卒業式でした。高校の3年間、この学年に関わってきた教員としては、卒業式を支えてくださった皆様に本当に感謝しかありません。

さて、卒業式では、様々なお話があり、その言葉をきっかけに、様々な思い出が次々と思い出され、ついつい目頭が熱くなる(ですまないという説も)場面も多々ありましたが、個人的には、校長先生の「ナイル川を渡るアリ」のお話が心に刺さりました。もしかするとご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、アリたちが互いに離れないようにしっかりとつながってボール状になり、それぞれがわがままを言わず、水上、水中と交代しながらほとんど犠牲をだすこともなく大河を渡りきるというものです。しかし、近年、地道に努力することを軽視したり、過去のものを破壊することがもてはやされたり、自分だけが気持ち良ければそれでいいといったような風潮が強く感じられるようになっています。ぜひ、卒業生のみんなには、私が知る限り卒業式に初めて小道具を持ち込んだ校長先生の熱い思いを胸にこれからの人生を歩んでほしいと思います。

さて、在校生の皆さん。果たしてこの文章で伝わったかどうか自信はありませんが、信愛の卒業式はとてもとてもすてきです。たった、2人の在校生しか今年度の卒業式を体感することはできませんでしたが、ぜひこの信愛の卒業式の伝統をこれからも紡いでいってほしいと思っています。

卒業生の皆さん。一応、卒業はしましたが、まだ国公立大学の前期試験の結果も発表されていません。今日はともかく、明日からはさっと切り替え、中後期への準備を再開しましょう。きっとそんな人にうれしい報告は届くと思います。

そして、最後に少しクラス担任としてのコメントをお許しください。A組のみんな、お菓子の下に隠されたコメントありがとう!!涙なしには読めませんでした(おかげで頭痛が…)そして、そっと忍ばされたStussyのペン、さすがです!