梶井基次郎「檸檬」  高木智視

高校2年の現代文で、教科書の梶井基次郎の「檸檬」をやっているところです。メンタリストDAIGOさんの本によれば、「ストレスに強くなる方法」にということで、一番に「読書」が挙げられています。それも、教科書に載っているような名作をゆっくりと読むとストレスに強くなるとか。ゆっくりと読むことで、登場人物に感情移入し、共感能力が高まり、人間関係が良くなる、という説明がされています。本当かどうかはわかりませんが、なんとなく読書をしていると心が落ち着くな、と個人的には感じています。授業では、ゆっくりと味わって読みたいな、と思います。ストーリーは「ふらふらしていると八百屋に檸檬があり、それを一個手に取ると落ち着いて、それを本屋に置く」だったそれだけですが、文体が深いですね。梶井基次郎はノーベル文学賞作家の川端康成に「こいつはすごい」と思わせた作家です。若くして亡くなったのは残念ですが、作品を通して、そのすごさが伝わってきます。ドキドキハラハラばかりの今の娯楽小説やドラマもいいですが、こういう作品はしっとりと落ち着いていて、古い作品ですが、むしろ新しいと感じます。こういう作品に潜む癒やしの力って何かな、ってつい思ってしまいます。