先日、司馬遼太郎記念館へ行ってきました。東大阪市の住宅街の一画に建てられた記念館は、周りを雑木林で囲まれていて、注意していないと通り過ぎてしまいそうな場所にありました。門を入ると司馬遼太郎さんの自宅と隣接地に建つ安藤忠雄さんによる設計のコンクリート打ちっ放しの建物で構成されています。地下1階、地上2階、ゆるやかな曲線を描くシンプルな構造で、雑木林風の庭の小径から窓越しに、司馬さんの書斎を間近に見ることができました。
記念館に入ると、大きな吹き抜けがあり、そこにはぎっしりと司馬さんの約2万冊の蔵書が並べられていて、そこは博物館というよりも、図書館に近い印象を受けました。他の来館者は、一組だけということもあり、とても静かで心癒される空間でした。
1つの作品を書くにあたって、そのテーマや人物に関わる書籍はほとんど全て取り寄せ、歴史上の人物を限りなく調べて、その人物像を作り上げていったという作家魂を強く感じることができました。司馬遼太郎さんは、「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「功名が辻」など有名な作品がたくさんあり、中にはドラマ化されたものも多いので、身近に感じることのできる作家の中の一人です。しかし、記念館で紹介されている本の中には、知らない作品もまだまだあることを知りました。空き時間を利用して、もう少し読み進めてみたいと思います。