高3のフロアにて   大村寛之

コロナウイルスの感染拡大防止のための休校期間が続きますが、皆さん元気にしていますか?
当初は「学校が休みでラッキー!」などと思っていた人もいるかも知れませんが、真面目な信愛生のことですから、そろそろ本当にこのままでいいのか?という不安も出てきているのではないかと思います。

今日も、返却物や配布しようと思っている教材などをホームルーム教室に持っていくために、自分の在籍学年である高校3年生のフロアに行きました。
当たり前ですが、本来なら生徒たちの姿でガヤガヤしているはずの教室や廊下が薄暗く、シーンと静まり返っています。

私たちも少しでも教育の機会を届けようと、色々と知恵を出し合いながら「今できること」を少しでも増やして行こうと日々模索していますが、やはり信愛という学校は、生徒と教員との二人三脚が占める部分が非常に大きな学校なんだと改めて感じています。

直接顔を合わせ、授業やクラブだけではなく、休み時間や放課後など日々の何気ない話などを通して関係を築いていき、「頭で学ぶ」のではなく、「心で学ぶ」生徒を育てていく。
にわかにICTを使った教育が注目をあびていますが、それでは届けられないものが信愛の教育の中には確かにあると思います。
そんな信愛にとって、この2ヶ月近くにも及ぶ休校期間はあまりにも痛すぎます。

しかし、そんな泣き言ばかり言っていても仕方ありません。
私たち教員も今できることが少しでも増えるように努力します。
その姿を直接見せることはできませんが、きっと皆さんにその思いは伝わるはず。

もしかすると、これまで二人三脚の名のもとに、少し先生に頼りすぎていた人もいるかも知れません。
今回の機会は、自分で学習する習慣を身につけるという試練だと思い、学校が再開するときには少し大人になった皆さんと会いたいです。
それが、きっとこれまで以上に質の高い「二人三脚」へと繋がっていくことだと思います。

それでは、H3のフロアの隅っこですっかりお馴染みとなった「これ」を毎日めくり続けながら、その日を待ちたいと思います。