南 正人

今日、本校では漢字検定が実施される。
ところで、「漢字」といえば、2017.3.24に発刊された「う○○漢字ドリル」に触れないわけにはいかない。これは、画期的なドリルだった。何が画期的かというと、とにかく、例文が下品なのだ。いくつか紹介したいと思ったのだけれど、あまりに下品すぎて、ちょっとここに書くことがはばかられる。それほどまでに下品なのである。(興味のある人は、ネットで検索してみてください)。
そして、小学生は、下品が大好きなのである。だから、面白がって漢字を勉強するものだから、このドリルは、売れに売れた。(なにしろ発売後約2カ月で227万部も売れたのだ。そして、たぶん今も売れ続けている。)
どうして、これほどのヒット商品になったのか。それは、なによりもこの本の下品さにある。というより、「勉強は上品にするもの」、「そもそも勉強は上品なもの」という常識を覆したことにあると思う。それが良いことなのかどうかはわからないけれど、「常識にとらわれない」という発想は、今の時代にあって、示唆に富む。
新学習指導要領を持ち出すまでもなく、今教育界もコペルニクス的転回が求められている。ICTとかIPAとか、IoEとかIoTとか……(まぁ、板書をしないでIパッドを使っている若い教師を見るだけで、老教師であるこっちはコペルニクス的驚愕なのだけれど……)。
とにかく、変革の時代である。しかし、そんな変革の時代にあって、なんとまぁ、う○○の持つ下品さの普遍性よ。(実は僕はこっちの方に、より感動しているのだけれど……)。
で、その普遍性について……。
先に僕は、「小学生は、下品が大好きなのである」と書いた。しかし、それは小学生に失礼というものだ。高校生だって、いやいや大人だって、下品は大好きなのである。
だから、僕は思うのだけれど、「漢検準2級問題集」も、全部「う○○漢検準2級ドリル」にしたら、もっと合格率が上がるのではないだろうか……と。さらに言えば、「『う○○漢検準2級ドリル』づくり」という授業は、結構アクティブで、新学習指導要領的ラーニングなのではないだろうか……と。
さあ、みなさん、「真剣」「偏見」「漆黒」「媒介」「余裕」「湾曲」「魅力」を問う漢字の例文を、すべてう○○を使って作ってみましょう。これは、相当に高い能力が要求される。熟語の意味はもちろん、その用法や、何より機知が求められる。だから、みなさん、頑張ってみましょう。(もちろん、僕は例文を完成させました。しかし、ここには書かない。なぜなら、下品だから……)。