第2学期の期末考査が終わって、生徒のみなさんはほっと一息といったところでしょうか。高校3年生のみなさんは、一息つく暇もなく大学入試を終えるまで突っ走ってください。我々教員は採点を頑張ります。
私はこのコーナーにて、何度か絵本を紹介させていただきましたが、今回は久しぶりにやりたいと思います。
今日ご紹介する絵本は、ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』です。ヨシタケシンスケさんは元々、イラストレーターで挿絵などの活動をしておりましたが、この『りんごかもしれない』で2012年絵本作家デビューし、MOE絵本屋さん大賞の第1位も獲得しました。
『りんごかもしれない』はタイトル通り、とある男の子が、目の前にあるりんごがもしかしたらりんごではないのかもしれない、と空想し、その空想、妄想がどんどん膨らんでいき、発展していくお話です。
私たちが当たり前のようにりんごと思っているものが、実は、見た目りんごの形をしているだけで、りんご以外の何かであるのかもしれない。表面の姿に捉われるのではなく、見えない部分の真の姿を見つめよう、という大人にも通じるメッセージが込められているようにも感じます。
ヨシタケシンスケさんの他の絵本も紹介します。自分が買ったお手伝いロボから完璧なニセモノのなるためにいろいろと質問されて、自分らしさというものを見つめ直す『ぼくのニセモノをつくるには』や、死んだおじいちゃんが書いた「このあとどうしちゃおう」ノートを見つけた男の子が、自分もいろいろと死後のことについて空想するのですが、今生きているうちにやりたいことがいっぱいあるということに気付く『このあとどうしちゃおう』があります。
他にもいろいろとあります。ヨシタケシンスケさんの絵本は、絵のタッチがやわらくてほのぼのとしており、大人も考えさせられる内容が多く、広い世代で楽しめ、私からおすすめの絵本作家さんです。