DA PUMPのUSAが爆発的にヒットしているのは君達の方が詳しいでしょう。
僕もこれを聴いて、「良い曲だなぁ」と思いました。サビの♪C’mon, baby アメリカ……♪のメロディーはとってもノリが良いし、そのダンスもシンプルで力強い。だから、君達にウケるのもわかる気がした。ただ、その歌詞にちょっと違和感を持ってしまったのです。
というのも、後半部分の歌詞はともかく、前半部分は、「アメリカに憧れていた」というものです。しかも、「リーゼントヘア真似した」「FM聴いてた渚」「ツイスト踊ったフロア」「ミラーボールに恋した」「仲間の中古のオープンカー」などは、まさに僕が高校生だった頃の、つまりもう40年近くも前のアメリカと日本の「リレイションシップ」で、こんな古臭い感覚が、どうして今の、アメリカ音楽にもアメリカ映画にも見向きもしない君達にウケたのか、ちっともわからなかった。
もしかすると、君達にとって、歌詞なんてどうでもいいのかもしれない。でも、それではちょっともったいない気がする。
ところで、僕が最近読んだ「日本史の内幕」という本の中に、江戸時代の日本はすごかったという部分があって、1700年(元禄時代)、日本人は、世界の人口の5%も占めていた。つまり、世界中の20人に1人が日本人だったということです。(ちなみに2000年は2%、2100年には0.75%の予想)。また、1820年(ペリー来航は1853年)の日本のGDPはアメリカの1.75倍もあった。だから、この頃にアメリカから武器や軍艦を買いまくっていたら、ペリーがやってきても軍事的に圧倒的優位に立てていたのです。そして、もしそんなことが起きていたら、DA PUMPのUSAのような歌詞は生まれなかったんじゃないだろうか、などと思ってしまいました。
まぁ、そんなことはともかく、もし君達がふと耳にした曲を「良い歌だなぁ」なんて思うことがあって、もしその歌に歌詞が付いていたら、どうかその歌詞にも注目してほしい。最近はネットで簡単に歌詞を検索できるのだから、リズムやメロディーやダンスの世界だけでなく、言葉の世界も楽しんでほしい。そうすればきっと、今よりもその曲を何倍も何十倍も愉しむことができるようになると思うから……。