インフルエンザ 山本茂樹

さて、寒い日が続き、今朝は和歌山では珍しい雪景色となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

私は、何とインフルエンザにかかってしまいました。大学1回生のときに罹患して以来、23年ぶりのことです。油断大敵とはまさにこのことで、おかげで楽しみにしていた連休を棒に振ってしまいました(笑)。

ところで、私の記憶では、23年前には「流行性感冒(流感)」という病名で診断書をもらったように思います。「流行性感冒」という言葉はもはや死語となってしまったのでしょうか。いつからインフルエンザという用語が定着するようになったのでしょうか。

インフルエンザの語源はイタリア語で、16世紀に占星術者たちによって名付けられました。Influenzaとは「影響」という意味であり、占星術者たちは天体の運行による寒気の「影響」によって、このような悪い流行病が広まると考えたようです。この言葉が英語圏でも用いられるようになり、現在のインフルエンザという病名に定着したというわけです。

なお、日本では江戸時代にしばしば「お七かぜ」「谷風」など当時の世相を反映する名称の流行病が広まっており、これらもインフルエンザの一つだったと考えられます。幕末には蘭学者によってインフルエンザの名称も日本に伝わり、流行性感冒と訳された、ということです。ちなみに、インフルエンザの名称が定着する以前は、「お染めかぜ」と呼ばれた時期もあったようです。これは江戸時代の人気芝居『お染め久松』のお染めの恋の熱病にかけてのことだそうです。何とも風流な呼び方をしていたものです。

まだまだ寒い日が続きますので、みなさんも「お染めかぜ」にかからないように、ご自愛ください。