藤原麻衣

2月3日、本日は節分です。

季「節」を「分」けると書くように、本来は春、夏、秋、冬、それぞれの季節の始まりの日の前日を意味します。季節の変わり目には鬼が出る、という考えのもと、それぞれの季節の前日に邪気(鬼)払いをしていたようです。ここでいう「鬼」とは「悪霊」「邪気」のことで、昔はこれが病苦や死をもたらすと考えられていました。今でも、季節の変わり目に風邪をひいたり、体調が悪くなったりしますよね。そう思うと、1000年前も、今も、人の営みというのは変わらないなあと思います。

ちなみに、「鬼=悪霊=病気の原因」というのは古文を読む際の常識として知っておいて欲しい知識の一つです。この「鬼」をお祈りで「調伏(退治する)」お坊さんが、古文の世界のお医者さんなのです。

また、立春(春の始まり)の前日のみ(つまり、2月3日ごろ)を祝うようになったのは、江戸時代以降のことだそうです。春夏秋冬のなかで、なぜ春だけが「節分」という行事として現代に残ったのか、それはやはり「春」が一年の始まりだったからでしょう。立春は今で言う元旦です。その前日ということは、節分は「大晦日」なのです。

古文の知識があると、伝統行事への理解が深まり、楽しいですね。

年が明けて一ヶ月、節分は、この一ヶ月のことを見直して、気を引き締め直すよい機会なのかも知れません。