南 正人

6月28日

本日、6月28日の、6と28から、ふと思う。6も28も完全数だなぁ、と。
完全数というのは、「ギリシアのニコマコスの頃から考えられ、ユークリッドによって名づけられた数で、6=3+2+1,28=14+7+4+2+1 などのように、その数の約数 (自分自身は除く) の総和が自分自身に等しくなる数のことで、28の次の完全数は 496。」と、ものの本にはある。
国語の教師なのに、よくそんなこと知っているなぁと思われたかもしれないけれど、種明かしをすると、先日将棋の藤井聡太四段の連勝記録のニュースで、28連勝していた神谷八段が「僕は28という数字がとても好きで……」と言っていたので、28ってそんなに特別な数字だろうかと思って、ちょっと調べてみたら、「完全数」なるものに辿り着いた、というだけの話である。でも、僕はこういうの結構好きである。僕だけじゃなく、案外文系の教師は理系科目に興味を持っていたりする。そう言えば、小川洋子だって、早稲田大学の文学部出身の小説家だけれど、とっても数字にこだわりのある数学博士が登場する「博士の愛した数式」を書いていたでしょ?
もちろん逆だってあると思う。数学の先生が「『笑』って漢字は、髪を長くした若い巫女の象形、と辞書にあるけど、どう見たって、笑った顔の象形だよなぁ」とか、理科の先生が「『大丈夫』って、一字一字の漢字の差異が微妙すぎて面白い」なんてところから、漢字の達人になっていたりして……。だって、バリバリの理系である医学部出身の作家は世の中にたくさんいるのだから。
とにかく、僕が言いたいのは、他人をパターンで分類するのは面白い(体育会系、草食系、塩顔……等々)けれど、自分をパターンで分類しちゃいけないよってこと。そんな実態のない奇妙なものに縛られないで、もっと自由になってねってこと。