ローカル路線バス乗り継ぎの旅  山本 茂樹


©テレビ東京

みなさんには、好きなテレビ番組がありますか?

本日の朝礼で大村先生が『ごめんね青春!』のお話をされていましたが、私は『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』についてお話をしたいと思います。

最近テレビを見ていて、蛭子さんがよく出てくるなあ、と思われた方、いらっしゃいませんか?また、たまに相棒のような感じで絶妙なコンビ力を見せる、太川陽介という人も見かけませんか?実は、この二人はこのテレビ東京の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』で再ブレイク中なんですね。

このテレビ、何が面白いかというと、とにかくガチである(やらせなし、予定調和なし)ということです。番組スタッフがざっくりとスタートとゴールを設定し、あとはこのコンビとマドンナ(往年の女性アイドルが多い)の三人で、ひたすら路線バスを乗り継いで三泊四日の旅をする、という番組なのです。まあ、蛭子さんの勝手なこと!太川さんの細かい気配りのすごいこと!ちなみに二人とも最近、本まで出版しています(太川陽介『ルイルイ仕切り術~人生も会社も路線バスの旅も成功に導く40のツボ 』。蛭子能収『ひとりぼっちを笑うな』)。

私がこの番組を見たのは2011年7月30日放送の第9弾「出雲~枕崎編」からですが、年に三回程度のペースで不定期に放送されているにも関わらず、最新作の2015年1月3日放送の第19弾「大阪~金沢編」まで、コンスタントに視聴率12%程度稼いでいる、テレビ東京のキラーコンテンツになっています。

この番組を私がわくわくしながら見ているのは、先が見えないからです。太川さんが一所懸命に地図を見てルートを考えても、バスが廃線になっていたり、適当な時間のバスがなかったり、とにかくハプニングが続くのです。県境などバスがないところでは、みんなで歩いていきます。70歳近い蛭子さんが文句は言いながらでも必死に歩いている姿は、ほほえましくもあります。そうやってゴールできたときの喜び、ゴールできなかったときの落胆、いずれもガチでやっているからこその感動があります。

でもこれって人生にも似てるんですよね。我々の人生も先の見通しが立っているわけではありません。バスがない区間もあるかもしれません。でも、一所懸命にやっているからこそ、感動がある。受験生のみなさんには、とくに実感できることではないでしょうか。バスがなかったら、歩いたらいいんです。先が分からなくても、一所懸命やっていれば道はひらけるんです。高校三年生の人はあと少しです。頑張ってください!