前田 紫

朝夕の気温が下がり、過ごしやすくなってきました。お天気のよかった8日には、きれいな中秋の名月を見上げ、いよいよ秋の到来を実感です。

さて、今が旬の果物の一つに「イチジク」があります。今朝の新聞によると、和歌山のイチジク出荷が最盛期を迎えているそうです。私はイチジクが大好きでなのですが、みなさんはイチジクを知っていますか?実の中のツブツブが気持ち悪―い、と思っている人もいるかも。イチジクのおいしい食べ方は家庭の先生にお任せするとして、理科の先生らしく(?)お話したいと思います。

イチジクは漢字で「無花果」と書きます。「花が無い果物」という意味ですね。実際に、イチジクの木の枝には花らしい花が見つかりません。では、花が咲かないのに、あの食べている実はどうやってできるの?(ここ、疑問に思って下さいね。ふつうは花が咲いて、めしべに花粉が受粉すると、実ができます。)

イチジクの花はとても小さく、私たちが食べている実の中に咲きます。じつは、あの気持ち悪―いツブツブ一つ一つがお花です。熟すと、種子になります(市場に出荷されているのは完熟前の実)。

私たちはお花を食べていたのです。「花を食べる」って、なんだかオシャレではないですか?

それでは、なぜ、イチジクは小さなお花を実の中に隠すように作るのでしょうか。

和歌山の特産品「イチジク」を食べながら、考えてみて下さい。