松井 涼

いよいよ期末試験が近づいてきました。担任の先生との面談を通して、中間試験の反省を再度確認し、期末試験のための準備をしているところだと思います。

この時期に面談をしているといつも思い出すことがあります。それはずいぶん前に読んだ『無気力の心理学』という本の中に紹介されていることです。

そこでは、ある研究者が中学一年生の社会の中間テストの結果をもとに、アンケートによって「成功」と「失敗」にわけ、「失敗」と考えた102名の生徒に対して、失敗の原因を自分の能力に求めるのかそれとも自分の努力不足に求めるのか尋ねています。そして、次の期末試験の評価に対して、その答えがどのような影響を与えるのかについて追跡調査をしています。
調査の結果、次の期末試験で良い評価につながったのはもちろん能力の方ではなく努力不足の方でした。なぜかというと、努力というものは自分のがんばり次第でいかようにもなるからと考えたためです。

この実験は失敗の原因を自分の内部に求めたものですが、他にも内部と外部に分けた実験もあります。外部というのは、例えば、先生の試験が難しかったから、問題が多かったから試験ができなかったといったものです。これらの結果が与える影響ももうだいたい想像がつくと思います。当然、反省として原因を内部に求め、かつ能力ではなく努力不足のせいと考えた方が、次につながる結果を残すということです。
これらのことから言いたいことは、努力で全てが変わるとか変えられるということではありません。ただ、努力で変えられることも周りにはたくさんあるということです。試験まであともう少しです。人のせい、周りのせいにするのではなく、一緒にがんばりましょう。