大村 寛之 先生

私にとって今年度最後の百人一筆です。  さて、本日中学3年生は錬成会と修了感謝ミサを行いました。錬成会とは、生徒たちが高校への進級という節目に立って、保護者や友人、その他自らを支えてくれる人たちとの関係について改めて考える機会を持つという会です。

最初に御聖堂で、校長先生からお話をいただいた後、生徒たちは、事前に内緒で保護者の方にお願いして書いていただいていたお手紙を読みました。きっと保護者の方々からの深い愛情が述べられていたのでしょう。生徒たちは、次々と涙、涙…。涙腺の壊れている私ですから、思わずもらい泣きしてしまいそうになり、違う方向を向いて必死でごまかしました。

中3生の保護者の皆様、日々お忙しい中にも関わらず、我々のお願いに快く応えていただき、本当にありがとうございました。皆様方の愛情を、確実にお嬢様に届けることができたと思っております。

その後は、各教室に戻り、保護者の方への返事と、3年後の自分に宛てた手紙を書きました。反抗期かもしれない彼女たちも、普段言えない本当の気持ちを手紙にしたためました。きっと今ごろ「今までありがとう。これから高校生活も頑張ります」という言葉とともに、保護者の皆様にお手紙を届けていることと思います。保護者の皆様もお嬢様が寝静まった後、読み返してぜひぜひ涙を流して下さい。

ちなみに、かく言う私も久しぶりに両親のことを考えました。私はもともと福井県の出身で、18才の大学進学と同時に親元を離れて早20年にもなります。そういえば、年が明けてから数える程しか話をしていません…。かつて私が小児ぜんそくを患ったせいで、東京で技術者として働いていた生活を捨てて故郷に帰ることになってしまった父親、しかし自分のやりたかった教師という仕事をやるために実家に両親を残し、和歌山で教員をしている私。私も大人になって父親と酒を酌み交わすこともありますが、そんな時でも、父親の口から私に対する恨み言など一度も聞いたことはありません。にも関わらず、私は相当な親不孝者だなぁ…と。近々、電話をして生徒たちの様に感謝の気持ちを伝えてみようかなと少し敬虔な気持ちになりました。

さて、その後生徒たちは、修了感謝ミサにあずかり、中学修了の記念として校長先生から直接メダイをいただきました。そのメダイを見る度に、今日の日の気持ちを思い出してくれたらうれしいなと思います。

さあ、明日はいよいよ修了式です。しっかりと中学生活を締めくくり、新たな高校生活に向けて走り出してほしいものです。我々中3の教員もしっかり彼女たちの背中を押して、送り出したいと思っています。