山本 茂樹

本来は昨日投稿しなければいけなかったのですが、諸般の事情により本日の投稿となりました。毎日楽しみにしてくださっている方、本当に申し訳ありません。

さて、改めまして新年明けましておめでとうございます。今年は生徒からも何通か年賀状をいただきました。年賀状につきものと言えば、「えと」、「十二支」ですね。今年は「午年」ということで、みなさんからいただいた年賀状にも馬の絵が描いてあるものが多かったです。なぜかドラえもんの絵というものもありましたが……

実は、今年は「甲午」の歳です。「午」の部分は、「うま」ですから、十二支のことを指していますが、前半の「甲」とは何か、あまり知られていません。

これは、「十干」と呼ばれるものです。古来中国では、陰陽五行説というものが発達してきました。森羅万象は、「木」「火」「土」「金」「水」の五つの元素から成り立っており、さらにそれぞれに「陽(え)」と「陰(と)」が存在しているという考え方です。それらを並べると、「甲(きのえ)」「乙(きのと)」「丙(ひのえ)」「丁(ひのと)」「戊(つちのえ)」「己(つちのと)」「庚(かのえ)」「辛(かのと)」「壬(みずのえ)」「癸(みずのと)」となるわけです。

年代の数え方は、この「十干」と「十二支」を並行して行うわけです。すなわち

十干   甲乙丙丁戊己庚辛壬癸甲乙……癸甲

十二支  子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥……亥子

「甲子」の歳に始まり、60年目に「癸亥」の歳で一回りし、61年目に「甲子」の歳からまたスタートする、という具合です。我々も60歳になると還暦のお祝いをしますが、「還暦」とは、まさに暦が一回りした、という意味です。

説明が長くなってしまいましたが、「甲午」の歳で思い起こされることは、1894年、日清戦争の開戦のきっかけとなった朝鮮王朝での農民反乱「甲午農民戦争」のことです。あれから60年を二回り、120年ちょうど経っているわけですね。

十干十二支、憶えておくと日本史や世界史の年代暗記に役立てることができます。(「壬申の乱」672年など)最低でも十二支はきちんと憶えておくといいでしょう。そうすると、新年を迎えたときに、日本史、世界史上の大事件からちょうど何年経ったんだなあ、というちょっとマニアックな感慨にひたることができるかもしれません。