紅葉  和田 由紀

11月のある日京都を訪れた。見ごろまでには至らなかったが、美しい紅葉を楽しめた。殊に永観堂のもみじの赤は今でも目に焼き付くほどに美しかった。多くの人が赤を好むのは1つには赤い色が人をポジティブな気持ちにするからだそうだ。また、赤は緑の反対色であることもその要因らしい。赤色と緑色は最も印象に残りやすい組み合わせだというのだ。黄色と青色も反対色だそうで、確かに、ケヤキ通りのまっすぐな銀杏の黄色い葉が青空を背景にさらさら揺れる姿は本当に美しい。最低気温が5℃以下に下がると紅葉のスイッチが入るが、-5℃以下になると枯れてしまう。また昼間太陽の光をたっぷり浴びていないと美しい紅葉にならないそうだ。いろいろな条件を兼ね備えて生み出してくれる日本の美しい秋の風景。その風景を見に、タイや香港からいらしてくださる外国のお客様が多いとか。自然そのものがおもてなしの精神を発揮してくれているのかもしれない。