吉田 晋

アイソン彗星が話題になっています。いや、なっていました(過去形)。ご存知のように11月29日、太陽に最接近した際にどうもお亡くなりになったようでとても残念です。彗星が長い尾を引く姿が肉眼でも観測できると予想されていましたので、普段は早起きとは無縁の私も何回か朝5:30に観測に出かけました。もちろん見えませんでした。

彗星は氷や岩石の塊でできた核と呼ばれる本体に尾がついたものです。バドミントンのシャトルのような形をしていますので、進行方向前方に核が、後方に尾があるのかと思いきや、太陽から遠ざかるときには尾が進行方向前方を向きます。なんとも神秘的じゃありませんか。

アイソン彗星は崩壊しましたが、ラブジョイ彗星なら条件次第で肉眼でも観測できるようです。その他、エンケ彗星も11月下旬には双眼鏡で観測できたようです。春のパンスターズ彗星も含め、今年は彗星観測の当たり年といわれています。

彗星は自分自身では光を発しませんので、太陽に十分近くならないと明るく光り輝きません。だから、彗星を観測しようと思うと、どうしても日の出の直前、つまり早朝ということになります。みなさんも、この恵まれた機会に早起きしてラブジョイ彗星を探して見られてはいかがでしょうか。