西岡 俊和先生

高校3年になると,どうしても受験のことが気になって普段の授業がおろそかになる傾向があるよね。特に自分の受験に必要のない教科になると,どうしても気合いが入らないという気持ちもわからなくはない・・・でも,ぼくが予備校で20年以上も何千人もの受験生とつきあい,毎日,大学受験というものと対決した経験によるとね,受験で一番大事な要因はその人の人間的な「パーソナリティの強さ」なんだ。もちろん1つ1つの教科を真剣に勉強することが大切なんだけど,それをさえる「強いパーソナリティ」がないと,絶対に受験に成功しない。具体的に言うとね,普段,受験にいらない教科に手を抜いたり,怒らない先生の授業中に寝ているような,そして,そんな自分を許してしまう「弱いパーソナリティ」の人は,絶対に大学受験に成功することはないということなんだ。
教室の前を見ると,そこには時間割が張ってあるだろう・・・そこに,これからの君たちの人生ができる限り幸せなものになるように祈っている何人もの人たちの心からの願いが感じられないようなら,君たちはどうかしている。そこには,卒業までにできるだけ多くのことを伝えておきたいぼくらの気持ちや,もちろんみんなの人生に大きな影響を及ぼすだろう大学受験についても,1人1人が「この大学にきてよかった!」と思える大学に進学してほしいというぼくらの願いがあるんだよ。そうすぐ,君たちとお別れしなければならないぼくらの言葉に耳を貸そうと思う気持ちが君たちにあるだろうか?もちろん,バリバリの高校生である君たちと,もうだいぶ,がたがきつつあるぼくたちとでは,「何が幸せなのか」とか「どういう人生を良しとするのか」などについては当然ながら意見にくい違いがあると思うよ。だからこそ,君たちが真剣に自分の道を考える「手助け」がしたいんだ,そして,もし君たちが「自分の道」を見つけ,それに向かって歩き始める決断をすることができたら・・・受験のプロとして生きてきた20年にかけて言うよ・・・受験勉強なんか,半分以上成功したも同じなんだ。
この夏休みに,どんな教科をどれほどしないといけないか・・・そんなことは誰でも知っているはずだよ。センターテストというのは,弱点を作ってはいけないテスト・・・もしも6月のマーク模試で6割を切る教科があったら,それがもし理科か社会だったら,夏休み中に,何が何でも7割台をねらえるようにしておく・・・必ず2時間その教科を勉強すること,それを1ヶ月間毎日続けること・・・理科か社会1教科ならそれで十分,2教科ならかなりしんどいけど,できないことはない。そんなことは誰でもわかってる・・・要は,それをやりきるか,途中で挫折するか,はじめからやらないか,その違いだけなんだ。そして,受験ってそんなことの繰り返しなんだ。誰に言われなくても,必要なことを黙ってやり抜く・・・それこそ「強い人」なんだ。そのための「強いパーソナリティ」を普段から意識して鍛えることが何よりも大切なんだ。だからもう授業中に寝たり,チャイムが鳴ってるのに「単語集」を未練たらしく眺めてたらだめだよ・・・何より「かっこ悪い」しね!
あとね・・・「寝不足」と「食べ過ぎ」はパーソナリティを弱める何よりの要因になるから・・・気をつけて!!