和歌山地方法務局との協働事業 最終発表会

和歌山地方法務局と中学3年iコースの協働事業の最終発表会が行われました。
本年度のテーマは「人権啓発グッズの発案」でした。
生徒たちは配布物と人権啓発のメッセージをどのように関連付けるか悩みながらも、なんとか発表までこじつけました。

今まで、生徒同士の発表会などの経験はあっても、大人に向けて自分たちの考えたことをプレゼンするのは初めだった生徒たち。
緊張しつつも、自分たちが準備したことを伝え切れた姿に、もしかしたら生徒たちよりもやきもきし、緊張していたかもしれない担任は感動しました。

精一杯の発表をしたとは思いますが、他の班の発表を見たり、講評を聞いたりして、ああすればよかった、もっとこんな風にできた、など次に向けて反省や目標が芽生えてくれていたらいいなと思います。

今回最優秀賞を受賞したのは2班の「多様性を大切にしようというメッセージを金平糖に込める」という案でした。
人権の中でも特に昨今話題に上がる「多様性」を訴えるというところが決め手でした。

以下、最優秀賞の受賞には至らなかったものの、それぞれお褒めの言葉を頂いた各班の発表内容です。

1班 ペアハンドクリームを配布する
「人権尊重=誰かに手を差し伸べること」であると定義づけ、その「差し伸べる手」を大切にしてほしい、という気持ちを込めてハンドクリームを配布するという案。
また、ハンドクリームを分ける相手を想像することによって、自分にも「大切に思う誰か」がいるということに改めて気づいてほしい、という願いもこもっています。

3班 イヤホンリールを配布する
「人権侵害=いじめ」とした3班。いじめの中でも報告の多い「無視」に着目し、イヤホンをつけて、誰かを無視している状況になっていないか気にしてほしいという気持ちを込めて、「無視されんの、イヤ!ほんま!」という標語を作りました。(個人的には、なかなかよいダジャレなのではないかと思っています。)

審査員の方にはそれぞれの発想をお褒めいただきました。

4班 防犯ブザーを配布する
防犯ブザーは「自分を守る」ためのものですが、防犯ブザーの音を聞いた人が「誰かが困っている!助けてあげよう」という気持ちになってほしい、という願いが込められています。
また、一度でも防犯ブザーの音を聞いたことがあれば、街中で防犯ブザーを見るだけで、「何か困りごとはないかな。もし防犯ブザーが鳴ったら助けてあげよう」と意識してくれるのではないか、防犯ブザーが「人を大切に思う気持ち=人権」を思い起こすきっかけになるのではないか、という発想からのアイデアです。
防犯ブザーを「自分を守るため」のものではなく、「他者を意識する気持ち」の呼び起こす装置(お守り)として使う発想をお褒めいただきました。

5班 バランスゲームを小学校低学年に配布する
「みんなちがってみんないい」、「はらが立ったら10数えよう」など、低学年にも分かるような人権メッセージをバランスゲームの駒に書くという案。
バランスゲームに熱中するときに駒を注視することに注目し、駒に人権メッセージを書いていればバランスゲームを楽しむことが自然と人権学習に繋がるのではないかと考えました。
実際にバランスゲームのサンプルを用意したプレゼン力を褒めて頂くとともに、駒の内容をもっとブラッシュアップすればより教育現場に導入しやすくなるだろうとのアドバイスも頂きました。

審査員の方々からは、各班の内容だけでなく、約一ヶ月半という短い期間でプレゼンテーマについて深く考えたこと、プレゼン資料を作りきったことも、お褒め頂きました。企画・商品開発をすること、期限内にプレゼン資料を完成させることは社会人としては当然のことかもしれません。しかし、中学生がこれをやりきったことは大変だったろう、とねぎらって頂きました。

本年度の法務局との協働事業はこれで終了しますが、生徒たちのアイデアが法務局の新しい取り組みに繋がればよいと思います。