1月17日(火)の「総合的な探究の時間」に、和歌山市産業交流局国際交流課のジェイコブ先生をお招きして、「多文化共生って何だろう?」というテーマで講義をしていただきました。
講座は、和歌山市にはアメリカ、カナダ、韓国に姉妹都市があり、中国に友好都市があるという紹介から始まりました。
すると、ジェイコブ先生から「姉妹都市と友好都市、何が違うのですか?」という問いが。
実は、同じ漢字を使用する中国に姉妹都市という言葉を使うとどちらが姉で、どちらが妹なのかという上下の関係が生じてしまいますが、英語の「sister」は「姉」も「妹」も表すため上下関係の意味は含まれない。国によって言葉の意味の範囲が異なるため、中国には友好都市という名称を用いているということでした。
これをきっかけに、虹の色の数、「青リンゴ」と「Green apple 」、「木漏れ日」と「The sunlight shining the leaves of trees,creating a sort of dance between the light and the leaves」(日本語でたった4つの音で表せる言葉が、英語だとこんなに多くの言葉を必要とするとは…)など様々な具体的を挙げて、言葉の違いを通して考え方や文化にも大きな違いがあるということを学びました。
特に、絵文字のお話では、幼稚園の名札を示す絵文字(📛)が、海外の方には炎の中に投げ入れられたお餅に見えるというお話は、私たち教員にとっても驚きでした。
そして最後は、「多文化共生とは文化的な違いを認め合い、ともに生きていくこと」という言葉を紹介していただき、「違い」から誤解やトラブルが生じても同じ「人間」だということを忘れず、手を取り合って「分かり合って」ほしいというメッセージをいただきました。
コロナ禍によって少し停滞はしていますが、生徒たちの未来では、職場のデスクで他国の方と隣り合わせになるのが当たり前の社会になっているかもしれません。ぜひ今日のお話を役立ててほしいところです。
また、同時に同じ日本人の中でも当然「違い」はあるはずです。授業中に積極的に発言できる人もいれば、苦手にする人もいる。絵が上手な人がいれば、走るのが速い人もいる。日本という国は、多数派と異なる少数派に対して無頓着、無神経なところがあるように感じます。そんな部分にまで広げて考え、行動してくれることを期待しています。