合同カンボジア研修会報告

1/7、8の2日間に渡って、東京の啓明学園様の主催で開催されたカンボジアを海外研修のフィールドとしている全国5校が集まる合同カンボジア研修会に高校2年生の2名が本学代表として参加しました。

2日目の昨日は、初日に引き続き、宇都宮大学の湯本先生を講師に迎えて、援助や支援、豊かさや開発といったテーマでワークショップが行われました。
前半は、タイのバーン村を観光で訪れたあなたが小学校の校庭に立てられたアイコナカムラと名乗る女性の寄付を求める看板を見て、あなたは寄付するかしないかをスタートにして、「ニーズとウォントを見極めることの難しさ」、「現地の本当のニーズを掴むことの難しさ」を学びました。架空の設定から発展させるというワークショップは非常に興味深いものだったと思います。

また、後半は「豊かさ」や「幸福」という言葉をどのように捉えるかをきっかけに、これからの開発のあり方について考えるというワークショップ。そもそも、「豊かさ」や「幸福」という言葉が物質的になのか、精神的になのかという視点によって意味合いがガラッと変わるマジックワードではありますが、湯本先生が提示してくださった具体的な事柄が書かれたカードをグループで3つ選ぶというこれも非常におもしろいワークショップでした。

我々教員グループと同様に、生徒たちの多くのグループが「幸せ」の重要な要素として挙げた「自分のやりたい仕事につくことができ、生きていくのに十分な報酬を得ることができる」というカードがあったのですが、「全ての人がやりたい仕事についたら果たして本当に社会は回っていきますか、やりたくない仕事をやっている人がいるから社会が回っているのではないですか」という湯本先生の言葉は参加生徒の心にも深く深く刺さっていたように思います。SDGsの目指す全ての人が「豊かさ」や「幸福」を感じる社会の実現って難しいものです。

最後は、ウルグアイの元大統領のホセ・ムヒカ氏の国連「持続可能な開発会議」における演説を視聴(興味ある人はぜひ見てみてください。https://youtu.be/m_v7zxdmpbw)。私も知りませんでしたが、これを見て考えさせられない人って、きっといないのではないかと思います。本当によい学びを与えていただいただいたと思います。
このようなことを高校生段階で学び、考える機会を提供してくださった啓明学園の先生方に本当に深く感謝するとともに、たった2名ではありますが、信愛生に届けることができてよかったと感じています。
きっと参加生徒は、明日以降の学校生活にこの学びを反映させるとともに、周囲の友人たちにもこの学びを伝えてくれることと思います。

さて、この研修会は次年度も東京で開催されることが決定しました。おそらく次年度の高校2年生が対象になると思いますが、多くの生徒が参加を希望してくれることを願っています。

ちなみに、これまではこのような他校との交流の場において他校の生徒に押されしゅんとしまうことの多かった信愛生ですが、今回の研修会では、生徒間の交流をより進めていくような動きを場面場面でしているように感じました。これも探究型学習に力を入れてきたことの副産物でしょうか。うれしいことです。