2月10日(土)海南市役所新市庁舎で行われた臨時災害放送局プロジェクトに参加しました。これは紀伊半島沖でマグニチュード8.0の大地震が起き、海南市では震度6弱、沿岸部には高さ8メートルの津波が来たと想定して、臨時のラジオ局を設営し、必要な情報を集め、試験的に放送するというものです。本校からは高校1年生の有志26名が、アナウンサー・記者・ライター・放送機器のオペレーターに分かれ、参加しました。
小雨降る中、海南市役所に到着すると、フロアは薄暗く、自販機やトイレの電気もついていないという本番さながらの設定でした。市庁舎内では役所の方々が忙しく動いています。全く右も左も分からない上に、何をすればよいのかわからない中、記者役の生徒がおずおずと被害情報や避難所・救護所情報などをききこみに回ります。しかし手に入れた情報のうち、聞く人に必要な情報は何かを考え、取捨選択しなければなりません。こうして集めた情報を整理するのがとても大変だったようです。
そして選別された情報をライター役の生徒が記事にするわけですが、ここで「地名」と大苦戦。漢字だけが分かっても、アナウンサーに正しく読んでもらうためには読み仮名が必要です。するとどこからか一人の生徒が地図を手に入れて一緒に調べながら原稿を書き上げていきます。最初は原稿を添削してもらっていましたが、次第に自分たちですばやく仕上げて、どんどんアナウンサーに回していきます。
アナウンサー役の生徒は、自分がしゃべっていない間は、何度も何度も記事を声に出して読む練習をしていました。どうしても読むのが速くなってくるのですが、落ち着いて、落ち着いて、、、。次第にリズムもつかめてきたようでした。
オペレーター役の生徒は電波の入り具合を確認しながら、ずっとラジオを持って市庁舎内をくまなく歩き回っていました。
はじめはどうなるかとそれぞれが心配しながら動いていましたが、次第に要領が分かり、終盤では皆お互い協力しながら、とても生き生きと活動することができました。今回指導して下さった方々からも、とてもしっかりしていて、思っていた以上によく動いてくれました、すごいですね、とたくさんのお褒めの言葉を頂戴しました。
新聞社やテレビ局の取材を受けていた中で、ある生徒が「自分が防災について知識を身につけることで、もし何か災害が起こったときには近所に住むお年寄りの方々を助けたい」とコメントしているのを聞いて、私たち教員もとてもいい勉強をさせてもらったな、ととてもうれしく思いました。地域の中で人のために率先して行動することのできる素敵な女性になってほしいと思います。
この度、色々お世話くださった和歌山県情報化推進協議会(WIDA)の皆様、また海南市役所様、どうもありがとうございました。