「若武者育成塾」信愛チーム、みなべ町を訪問

SGH委員の大村です。

ただ今「READY FOR?」にて「環境に配慮した開発を目指してほしいという願いを込めた動画作成プロジェクト」への支援募集を行っている和歌山信愛チームですが、シルバーウィーク中の9月20日(日)にみなべ町を訪問しました。

彼女たちが動画の軸に据えたいと考えているのは地元和歌山県に400年前から伝わる環境と暮らしのバランスがとれた現在世界農業遺産への登録を目指している「梅システム」の理念だからです。

後ろの里山が「梅システム」の全景です。

中腹の少し低い木が植えてあるのが梅林、
その周囲にある背の高い木々が薪炭林、
そして山のふもとにあるのがため池。
これが、環境保全と豊かな暮らしを両立させた「田辺・みなべの梅システム」です。

高品質な梅をもたらす里山。
豊かな土壌かと思いきや、実は上の写真のように瓜谷累層と呼ばれる養分に乏しく大雨で簡単に崩れてしまう土壌になっています。
そこで、ウバメガシと呼ばれる木を植え、土壌が崩れるのを防ぎ、適度な水分をもたらします。
また、このウバメガシは紀州備長炭の原木で、この養分の乏しい土壌で育てることで反対に木が締まり、非常に高品質な炭を生み出します。もちろん、その林は「択伐」という方法で、しっかり管理されています。

そのウバメガシによって守られた土壌のそばに植えられた梅林には、より高品質な梅を作るために、下草をあえて生やし、有機物の補給へとつなげています。
また、地元ではより優良な梅の品種の育成のために様々な人が尽力してきました。今では誰でも知っている「南高梅」もその結果生まれたものです。

さらに、ふもとに作られたため池は豊かな水をたたえ、そこから下流の里地を潤し、多種多様で豊かな実りをもたらしています。

「梅システム」がもたらしている経済的な豊かさはそれだけではありません。
梅の加工業の発展は多くの雇用を創出し、美しい梅林の景観は観光資源ともなっています。

そして、最も大切なのは、これらの「梅システム」が環境の保全にも役立っているということ。
梅の受粉に必要なミツバチだけでなく、様々な動植物の生息地にもなっており、「生物多様性の保全」に大きな役割を果たしているのです。

これが和歌山信愛チームの「環境に配慮した開発を目指してほしい」という願いとまさしく合致する理念。
「豊かな環境」と「豊かな暮らし」、このバランスを考えた開発のために、この「梅システム」を中心に据えた動画にしたいという思いを新たにしていました。

なお、実地見学の後は田辺市へと移動し、動画作成の依頼予定先である、GREENTV Japanの代表水野雅弘様にお時間をとっていただきました。
ぎこちない生徒たちのお願いではありましたが、熱意は伝わったようで「READY FOR?」のチャレンジ成功という条件付きではありますが、正式に協力をいただくことができるようになりました。
生徒たちの夢はますます大きくふくらんでいます。

現在支援の方は20万円ちょっとです。まだまだ道のりは長いですが、これを読んでくださった皆様、ぜひともご支援お願いいたします。

詳細はこちら:https://readyfor.jp/projects/cambodia-wakamusya-umesystem