今年の元日に大きな地震があった。
そのニュースを見ながら、多くの人が東日本大震災、阪神淡路大震災を思い出したことだと思う。けれども、東日本大震災でさえ、もう13年前だから、中学生の皆さんは記憶にないかもしれません。ましてや、阪神淡路大震災に至っては、29年前。高校生の皆さんだって生まれるずっと前の出来事です。「生まれるずっと前の出来事」ということで言えば、皆さんにとっては阪神淡路大震災も、関ヶ原の戦いも応仁の乱も、すべて「歴史上の出来事」に過ぎないのかもしれません。僕だって、11歳の時、29年前の出来事である「太平洋戦争」について、熱く語る大人たちにうんざりしたのを覚えている。「もうその話は何回も聞いたって」と……。けれども、今は思う。29年前は「ほんのこの間の出来事」であり、記憶はまだ生々しく、そりゃぁ熱く語ってしまうよなぁ、と。
そして、思う。生々しい記憶を持つ人が熱く語るのは、とても大切なことなのではないか、と。あの頃の大人たちが、戦争体験を(僕たち若者にうんざりされながらも)熱く語ってくれたおかげで、日本は何とか戦争せずにここまで来ることができたのかもしれないし、阪神淡路大震災を熱く語ってきたから、「災害」や「ボランティア」に対する考え方が大きく変わってきたのだと思う。だから、君たちに何と思われようとも、この機会に阪神淡路大震災について、熱く語ろうと思う。
「あの日は連休の翌日で、僕はその連休を利用して長野にスキーに行っていてね……」(続きは直接「熱く語り」ますね)
ところで、明日は共通テストである。被災した人達の中にも、あるいは家族や大切な人を亡くした人達の中にも、明日共通テストを受ける人がいるだろう。その人たちが(もちろん、本校の3年生のみなさんも)しっかりと充分に実力を発揮できることを祈っています。