最近読んだ本の中のお気に入りの一冊を紹介します。
タイトルは「ゴリラ裁判の日」。本のタイトルと表紙の漫画チックなゴリラの絵に惹かれて手に取りました。ゴリラを主人公にした面白いお話かと思いつつ読み進めると、どうやら夫を殺された主人公のゴリラのローズ自身が原告として裁判に向かうという話でした。ゴリラが裁判をしていく冒険話なんだろうと思い、ストーリーを追うだけの読み方をしていると、別に大したことはない流れで、ローズがプロレスラーになるところでは、何なんだ?とつまらなく思い始めてしまいました。
ところが、プロレスラーのローズが、ある弁護士と出会ったことで、前回敗訴した裁判をもう一度やることになります。本のページではほとんど読み進め、残すところ4分の1(約80ページ)となったところからが急展開。ほのぼのとストーリーを追うだけの読み方をしていた自分に反省。素晴らしい社会派の話だったのです。人間とゴリラは違うのか。人間とは何か。無知から生み出される差別や偏見、ジェンダー問題、障害者への差別などそれらが、まとまって私に降りかかってきました。人間の命を救うために、動物は殺されていいのだ。という考えが私の中に間違いなくありました。しかし、この本を読むことで、単純な思考回路(私の中にある無知から生み出される差別と偏見)を見直す必要があると感じさせられました。