CBT体験記

みなさん、こんにちは。
吉田です。

秋も深まり、勉強の秋、スポーツの秋、食欲の秋、と楽しい季節になってきました。今回は私事で恐縮ですが、私のCBT体験記を書きたいと思います。CBTとはComputer Based Testing の略で、コンピュータを用いて受験するテストのことです。中高生のみなさんにとっては英検のS-CBTが代表例でしょうか。英検に限らずこのところCBTはものすごく増えています。

実は私はこの数年何回かCBTを受験する機会がありました。直近ではこの8月にE資格をCBTで受験しました(一応、合格です)。以下、E資格を受験したときの所感を書きます。(E資格がどういうものかは、今回の記事の趣旨からは外れるので述べません。興味がある方は検索してみてください。)

まず受験会場ですが、最近はCBTが増えてますので、それ専用の施設というのが各所にできています。私は「難波テストセンター」というところで受験しました。大阪府内には難波以外にもたくさん試験場があるようです。

テスト会場にはパソコンが用意されていて、開始ボタンを押すと画面に問題が現れ、選択肢をマウスでクリックする形で回答していきます。画面内に残り時間が表示されていたり、ちょっとした計算ができる電卓アプリが用意されていたりするのはCBTならではですね。

PBT(紙ベースのテスト)と比較してCBTのメリットは受験生というより主に運営側にあるように思います。問題冊子や解答用紙を運送する必要がないし、試験監督も省力化でき、採点の必要もありません。受験生にとってのメリットは、日時が自分の都合に合わせて選べることでしょうか。

逆に受験生にとってのデメリットとして感じるのは、問題の全体像がつかみにくいこと。PBTなら冊子をざっと見てどこにどんな問題があるのかを把握するのに10秒もかかりません。でもCBTでは1問ずつ問題が画面に現れるので、短時間で全問題に目を通すということが不可能になります。試験では「解ける問題は確実に抑える」が鉄則ですから、どこに自分の得意とする、逆に苦手とする問題があるのかを把握することはとても大事になります。その点CBTはたいへんやりづらく感じます。また、PBTなら問題用紙に書き込んだり、計算したりが容易にできますが、CBTではそれができません。E資格の試験の場合、ラミネート加工されたA4大の紙とサインペンが渡されて、そこに計算をするように指示されました。一応計算などできますが、こちらもやりにくさ満点です。

CBTは確かに未来型のテスト方式ですが、現状では課題も多いように思います。みなさんが将来受ける「大学入試共通テスト」をCBTで実施する、なんていうことも現状では問題点が多すぎてすぐには無理と思います。例えば、50万人近くの受験生が使うコンピュータをどう用意するのか、故障があったときはどうするのか、などです。私が書いた受験生にとってのデメリットも、大学入試では大きな問題となると考えます。

現代の日本では、いや日本に限らないかもしれませんが、ジョブ型雇用やリスキリングなどが喫緊の課題となっており、社会人になってもますます勉強し、新しい知識や技能を求められる時代になってきています。CBTには(運営側にとっては)少人数で運営できるという大きなメリットがあるため、働き手不足の日本においてどんどんと増えていくものと思います。当面は中高生が受ける入試はPBTで、資格試験はCBTで、という流れが続くかもしれません。