WINDFALL, AGAIN Sho Imaizumi

先日は台風で休校となっちゃいましたね。休校の知らせに「よっっっしゃぁあああ‼」となった人も多いのでは。

こういう思わぬ幸運を英語ではwindfallと言ったりするよ。「風で落ちてきたもの」ぐらいの意味かな。日本語で言う、「たなぼた」ってやつだね。台風で学校が休校なんて、まさにwindfallって感じがしない?

英語の表現には日本語と発想が違うおもしろいものも多いね。例えば「絵に描いた餅」は Pie in the sky. (空のパイ)って、まさに「欧米か!」って感じだよね。(今の中学生高校生はこれ知ってるのだろうか。)

これは有名なやつで、「ちんぷんかんぷん」は、It’s all Greek to me. (それはまったくギリシャ語だ。)なんて言ったりするよ。でもよく考えたらギリシャ語なんて世界の言語の中では英語とずいぶん仲良しなんだよ。ローマ字abと(数学でおなじみ)ギリシャ文字αβなんてどう考えても似てるよね。そもそも「アルファベット」って呼び方さえ「アルファ・ベータ」からきてるんだから。中学生でも知ってるphoto, phone, problemなんて英単語も全部ギリシャ語からきてるんだよ。

ちなみに英語の兄弟であるドイツ語ではもっと徹底していて、同じ内容を表すときにDas ist Chinesisch für mich. (それは私には中国語だ。)って言うよ。確かに漢字は彼らにはもはや暗号並みにちんぷんかんぷんぷんぷんぽんだよね。そう考えると私たちにとって英語を身に着けるのが難しいのも納得だよね。文字からしてぜんぜん違うんだから!

ところでここ数日はみんなのテストをつくるために私は as busy as bee (ハチのように忙しい)日々を過ごしているよ。みんなが習うas ~ as構文はこういったイディオムがたくさんあるよ。(どうでもいいけどidiomって単語もギリシャ由来だ。)

わたしが好きなのは as cool as cucumber かな。「きゅうりのようにクール」だって、よくわからないけど、なんか語感がよくない? これは as ~ as で挟む形容詞の語頭と後ろの名詞の語頭の音をそろえているから生まれる効果だろうね。これを頭韻(alliteration)って言うよ。後ろの音をそろえる脚韻(漢詩で習うかな)とは逆の発想の韻律だね。ほかにもas fit as fiddle(バイオリンの弦のようにぴんぴん→元気いっぱい)なんかがあるよ。

みんなも「まるで~かのように〇〇だ」って言いたいときは、同じ音の名詞を探してオリジナルフレーズを作ってみよう。

さてさて、今はまた新たな台風が近づいているみたいだ。Windfallは2度落ちるのか。思わぬ連休と気候の変化に体調崩さないようにね。