ここ数年、先生の仕事って何だろう?って考えることが多くなってきた。
コロナ禍で学校が休校になった時を思い返すと、キーボードを指一つで押していた私のような先生でさえ、否応なくリモートで授業をさせられた。ずいぶんストレスを感じたものだった。ここ2,3年で教育界のAI化が急に進み、学校を離れても、ネットに流れる誰かの、そしてそれなりに完成度の高い授業で学ぶことも可能になってきている。
そこで、さて「先生の仕事って何?」となってしまうのである。
ずいぶん遡るが、40年以上前、大学の教授から「先生ってのは、先ず生まれたって書くでしょう。生徒より先に生まれたって事だから、何も立派でも偉くもないんですぜ。教壇に立ったら、生徒も先生もまず人間として同じだってことを忘れちゃいけません。」と言われたことを思い出す。当時は「先に生まれたーだから先生か」とぼんやり記憶に残っただけだったが、教師になってから、度々その言葉を意識するようになった。
和歌山信愛に勤め始めて2年目、今、いろいろな場面で生徒と向き合うとき、私は生徒の皆さんからすればおじいちゃんだなあと意識している。せっかく直に接する環境で人としてお互いに対峙出来るのだから、しっかり生徒の話を聞いて、共感してそして、自分の重ねてきた人生の経験を「先に生まれた」先輩をしてストレートに伝えていきたい、それが私の出来る、先生の仕事だと考えるから。