中めぐみ

早くも1月も下旬に差し掛かりました。先週末の高校3年生の共通テスト、本校の中学入試、今週は高1・高2ともに模試が行われ試験一色の一週間でした。

先日行われた共通テストの「倫理」の問題に、フロイトの防衛機制についての問題がありました。

様々なストレスを抱えた場合の対処方法が幾つかある、と述べられました。その一つが「ストレスとなる問題や状況に目を向けて、それらを変える方法を模索する対処」である問題焦点型対処。もう一つが「状況そのものを変えられない場合に、ストレスとなる状況に伴う情動を軽減することを試みる対処である情動焦点型対処です。

例えばテストが悪かった時、「落ち込んでも仕方ない」と気持ちを切り替えようとしたり、「今回は運が悪かった」と思い込もうとしたりするのは情動焦点型対処、勉強不足が原因だと分析し、計画的に勉強しようとするのが問題焦点型対処だと考えられます。

高校3年生は共通テストの自己採点も終わり、明日から結果をもとに国公立出願を決めるための面談が始まります。ここから私立入試・国公立入試と続き、前期試験まではまだ1か月あります。今ある点数を冷静にしっかり受け止め分析し、情動焦点型ではなく問題焦点型対処の勉強を続けていきましょう。高2・高1の皆さんも高3生の背中をしっかり見て、模試の結果から今の自分に必要なことに真摯に取り組んでほしいです。

最後に倫理の教科書に出てくるニーチェ『ツァラトゥストゥラ』に出てくる言葉を紹介します。

「きみは、きみ自身の炎のなかで、自分を焼きつくそうと欲しなくてはならない。きみがまず灰になっていなかったら、どうしてきみは新しくなることができよう」

7年前に東大教養学部長の入学式式辞で紹介された言葉です。「皆さんも、自分自身の燃えさかる炎のなかで、まずは後先考えずに、灰になるまで自分を焼きつくしてください。そしてその後で、灰の中から新しい自分を発見してください。自分を焼きつくすことができない人間は、新しく生まれ変わることもできません。…皆さんはまだまだ何度も生まれ変われるはずです。これからどのような道に進むにしても、どうぞ常に自分を燃やし続け、新しい自分と出会い続けてください。」と述べられていました。受験勉強も残り2か月。4月には、自分自身を焼きつくし新しい自分に生まれ変わった皆さんが笑顔で新生活を迎えられることを心から祈っています。最後まで頑張ってください!