’あたりまえ’ が ’あたりまえ’ にできる有難さ  大音雅子

みなさんお久しぶりです。
今年はじめ“2020年オリンピックイヤー、華々しい新年の幕開け”と新年を祝っていた時、その後2か月のうちにこれほどの厳しい局面が目の前に立ちはだかると誰が想像したでしょう。少なくとも私は微塵も…でした。3月からの休校措置は、6月はじめの分散登校の段階を経て、6月15日から感染予防対策をしながらフルタイムの授業再開を迎えた一週間、とても長く感じられ、週末が待ち遠しかったのは生徒だけではなく、教員も…かと。
 休校措置期間中、緊急事態宣言の自粛期間を含め、あたりまえのことがあたりまえにできない状況となり、世の中でみんながさまざまな「創意工夫」を凝らす必要に迫られました。このように長期にわたる休校措置は私も当然初めて。まず教育現場には、このコロナウイルスにより起こったICTの大きなうねりが押し寄せ、私はその波に飲み込まれて溺れないように必死でもがいたといったところでしょうか…「動画授業」の配信。昨夏、各教室にプロジェクターが設置され、パワーポイントなどを使っての授業を始めていた私の前にも、新たなハードルが置かれた気持ちで、「さて、どうしよう。」コロナウイルスの感染への不安に加え、そのハードルの攻め方にしばし悩みの中に。さまざまな方にアドバイスを求め、自分の授業スタイルに合った動画の撮り方を求める中で、You Tubeの中で動画授業に関して目に留まったとある大学教授の動画で「まず基本のやり方は“これこれ”です。自分の授業スタイルに合ったものを選び、最初から完璧を求めないことです。自分のできる範囲から。しかし、動画授業撮影をすることで、自分の授業を客観的に見る機会を得て、必ず先生の授業の改善・改革につながりますよ」との言葉に背中を押されたのですが、ふと考えると「これって、普段は自分が生徒たちに話してることじゃないかな・・・」と、新たなことを学ぶ生徒の不安と的確なアドバイスの大切さを再認識すると共に、何十本かの動画撮影配信をし、これまで”観るもの“と思っていたYouTubeに動画をアップするなど、初めての経験にどこかワクワク感を持ちながら過ごし、現在本来の授業スタイルに戻った時、その教授の言葉通り、さまざまな気づきから授業準備にも新鮮な気持ちを得ていることは確かです。そうですね、長年の教員生活にあって他の先生方の授業を参観する機会があっても自分の授業を見る機会はなかったですから。本校でも以前よりICT教育への準備は粛々と進められており、20日(土)には中1.高1生にいよいよiPadが手渡されましたので、対面授業の大切な部分はゆるぎなく残しつつ、ICTも進んでいくだろうと思います。
 さて、あたりまえだったことが、あたりまえにできない現況にあっては、以前と同じ生活に戻ることはなかなか難しく、今は新たな創意工夫が求められる “a new life with coronavirus”です。そして私は、コロナウイルスによる不安のみならず、共通テストをはじめとする新入試での大学受験を控え、不確定要素の多い中で受験勉強を続ける悩み抱える高3生ととともに過ごします。
みなさんもお身体大切に、a new life with coronavirusを乗り切りましょう。