青空文庫 南正人

僕が国語の教師だからかもしれませんが、今回のように緊急事態宣言が出され、外出が規制されても、「本」さえあれば、それほど苦痛ではありません。
ただ、もっと長引いて、本屋さんに行けないとなると、これは大問題でした。今回は、ストックしていた本が何冊かあったので(これを「積ん読(つんどく)」と呼んだりします)、問題はなかったのだけれど……。
皆さんの中には、「読書しようと思ったけれど、手元に読む本がなかった」という人がいるかもしれません。そんな人のために、「青空文庫」というものを紹介しておきます。
「青空文庫」とは、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開しているインターネット上の電子図書館です。著作権が消滅あるいは放棄されているので、すべて無料です。
僕はアナログ人間なので、読書は断然「紙派」ですが、もしどうしても本が手元になくなってしまっていたら、「青空文庫」に手を出していただろうと思います。
ちなみに、著作権が消滅するのは死後50年だったのですが、2018年に70年となってしまいました。君たちになじみのある三島由紀夫(1970年没)、志賀直哉(1971年没)、川端康成(1972年没)などを青空文庫で読もうと思うと、あと20年待たなければならなくなりました。でも、芥川龍之介、太宰治、夏目漱石、中島敦などは読めますから、ぜひ一度「青空文庫」で検索してみて下さい。