あこがれとは羨望嫉妬劣等感それは良いことなのか悪いことか 藤原麻衣

大学時代の友人と久方ぶりの再会を果たした。
彼女とは大学の教員養成課程で出会った。授業で垣間見られる彼女の、学校や教師という職業への考え方は私が教師を志した動機よりももっと尊いもののように感じられ、また私にはない視点のものだったので、劣等感を感じたものだった。具体的に、どのような考え方だったかは忘れてしまった。ただ、劣等感や羨望をかき立てられたことだけが強く印象に残っている。

しかし、彼女は教鞭を執る道を選ばず、現在は一般企業で働いている。二度の転勤を経て、現在は東京で勤めている彼女を見ていると、やはりうらやましく感じる。転勤や出張で全国を飛び回り、いつかは海外赴任するかもしれないという。広い世界を泳ぐ彼女を見ていると、一所にとどまり続けている自分は溺れているかのように感じる。

何年経っても彼女をうらやむ気持ちは消えない。彼女に嫉妬し、自分と比べ、劣等感を感じずにはいられない。しかし会いたいと思うのだ。これを、憧れと呼ぶのかもしれない。