テストの点数というものさし 村上 渉

皆さんは「テストの点数」という一次元のものさしで測られる世界から解放されました。これからは、多次元な価値が支える学問の世界の広がりの中をより自由に歩んでいくのです。自分が見てきた価値が何であり、見てこなかった価値が何なのか。これまで関わったことがないようなタイプの人たちとの出会いを楽しみながら、ここで良く考えてみてください。これは、東京大学五神真学長の入学式祝辞の中の言葉です。この言葉から、本校の2019年の目標である「賢い」という言葉が思い浮かびました。

中学生、高校生の悩みの中には、学校の成績や進路について不安に思う生徒が多く、信愛生の皆さんも「テストの点数」に一喜一憂しているのではないでしょうか。また、中学生、高校生の中には「テストの点数」が取れる、取れないというものさしで人の賢さをはかってしまっているかもしれません。確かに、大学入試の改革が進んでいっているが、まだまだ現状の大学入試では点数が取れる、取れないで合否が決まる場合も多いでしょう。しかし、信愛生の皆さんには、テストの点数を取れるだけの賢さを伸ばすことだけに力を入れないで欲しいと思います。

なぜなら、令和という新しい時代は、情報化・グローバル化が進み昭和・平成の時代とは違い、「たくさんの物を手に入れたい」、「大企業に就職して終身雇用」というような一つの価値だけではない社会が広がっていくのではないでしょうか。だからこそ、私たちは多様な価値を認め合い、多様な他者に対して共感し、思いやりの心を持って接していかなくてはなりません。そうした能力は一日、二日で身につくものではなく、日々の暮らしの中で培われていくものです。だからこそ、信愛生には日々の生活を大切にしてもらい、挨拶や掃除もきっちりこなしていくことや同級生、両親、先生との人の関わり等を通してそうした力を身につけていって欲しいと思います。

令和という時代が幕を開け、いままでにない新しい生き方を私たちは求められるのではないでしょうか。信愛生の皆さんは、「賢い」について考え、この新しい時代を心躍らせる時代になるよう力を磨いてください。