「科学」とは何か?   山本茂樹

今日はわかば祭でお祭り気分なのに、どうしてこのような硬いタイトルなんだ!とお思いかもしれませんが、わかば祭で行われた科学部の実験があまりにも面白かったので、このようなテーマにしました。

みなさんは「科学」の定義というものをご存知ですか?
私の持っている角川書店の『新国語辞典』によれば、「一定の決まった目的・方法・原理によって、いろいろの知識を集め、整理し、体系的に統一する学問」と書いてあります。しかし、これだとギリシア神話も体系的だと言えますし、その後に起こった自然哲学(万物の根源を追求し、あらゆる事象の説明を試みた)も充分に科学の要件を満たしていることになってしまいます。そこで、『新国語辞典』では次のような説明もあります。「哲学以外の専門の諸学問」と。「科学」は「哲」学ではないです、と言っているわけですが、そもそも「科学」と「哲学」は何をもって分けることができるのでしょうか。
20世紀の物理学者中谷宇吉郎(1900~62)は、「科学は再現の可能な問題に適用範囲が限られる」と述べています。つまり、誰が、いつ、どこで実験を行っても、正しい手順である限り、同じ結果が得られる、という再現性のあるものが「科学」ということになります。「哲学」は、ある思想家の頭のなかでだけ論証された理論ですので、誰が行っても同じ結果が出る、というわけにはいきません。そこが、「科学」と「哲学」の明確な違いになるわけです。ですから、小保方さんが「STAP細胞はあります。コツがあります」と言っても、小保方さん以外の人間にSTAP細胞を作ることができないのであれば、それは「科学」ではない、ということになります。

さて、話が難しい方向へ行きましたが、科学部の実験の話に戻りましょう。私は化学を最も苦手な科目としていましたので、物質名やどのような反応が起こっているかは説明できません。しかし、科学部の実験動画を見ていただければ、生徒たちがいかに安全に配慮して実験を行っているかが分かっていただけるはずです。つまり、泡が吹き出す、ということを事前に知っているわけです。なぜならば、それは「科学」の実験であるので、同じような結果を得た人がすでにいるということになるのです。だからこそ、これぐらい泡が出るだろうとか、泡でぬれないようにしよう、といった配慮ができるわけです。

さて、その様子を映した動画がそのままでは添付できませんので、GIFイメージにして添付いたします。このシステムでは2Mまでしかアップできないので、お見苦しい形になってしまうかもしれませんが、ぜひお楽しみください!