受験においては奇跡が起こる  山本茂樹

本日は、本校(和歌山信愛中学校)の入学試験の2日目となっております。B日程の試験が行われました。約150名の受験生の方々が試験に臨まれました。
また、本日も昨日に引き続き大学入試センター試験が行われております。
受験生のみなさんには、日ごろの勉強の成果を遺憾なく発揮していただきたいと思います。

さて、本日、受験生の保護者のみなさまを前に、校長が聖書のお話を一つお話し申し上げました。どのようなお話かというと、「水瓶をいっぱいにする」というお話です。ある宴会の席で、ブドウ酒が足りなくなってしまいました。そこで、主人がイエス様に相談されると、イエス様が「水瓶に水をいっぱいにお入れください。そしてそれをみなさんに振る舞ってください」とおっしゃったそうです。主人が言われたとおりにすると、客人たちがみな上機嫌になって、主人にお礼を言ってきました。「普通はいいブドウ酒を先に振る舞うものだが、あなたは最後の最後に一番いいブドウ酒を振る舞ってくれましたね」と。客人はみな、自分たちに振る舞われたものが、実はただの水だったとは思わなかったのです。つまり、水がブドウ酒に変化した、というお話なのです。
このお話のなかで校長が挙げていたポイントは、「水瓶に水をいっぱいに入れる」ということです。適当に水を入れておいただけでは、水はブドウ酒に変化しなかったでしょう。一所懸命、水瓶に水をいっぱいに入れたことにより、水がブドウ酒に変化したのです。そして校長は続けて、「信愛ではこのような奇跡のようなことがたくさん起こっていますよ」と申し上げました。一所懸命に勉強をして水瓶をいっぱいにした生徒は、ただの水ではなくブドウ酒のように味わい深い人間に成長していた、ということです。

さて、昨日も私のセンター試験体験談をお話いたしましたが、本日も違うお話をさせていただきましょう。数学のお話です。私は実は数学が分野によってはかなり苦手で、浪人時のセンター試験でも、数学①(当時は数学(A)。内容は数学Ⅰ・数学A)は66点しか取れなかったのです。8割~9割の得点が求められるなかで、これは明らかな失敗でした。しかし、そのセンター試験後に私にある変化が訪れました。なぜか、急に数学が解けるようになったのです。練習問題をやっていても、「あれ、解けるな?」「何やろ、できるわ」ということが続きました。私が受験した大学は確か文系の数学は大問が5題出題され、そのうち2問くらいが完答に近ければ合格点がとれると言われていたなかで、何と3問が完答できてしまったのです。
これこそまさに、水がブドウ酒に変わった奇跡の一つではないでしょうか。私も知らず知らずのうちに「水瓶を水でいっぱいにしていた」ということです。

受験生のみなさまにも、きっとこのような瞬間が訪れます。最後の最後まで、頑張ってください。