「平成」という時代 中めぐみ

先日私事ですが、amazon prime会員セールで電子書籍kindle を買いました。

今まで本は紙でなくちゃ!と思ってきましたが、画面の活字の読みやすさ、手軽さに思わず感激!

スマートフォンやタブレットと違って、目がちかちかせず、本当に紙に書かれたような活字の浮き上がりなのです。便利な時代になったなぁとしみじみ感じ入ってしまいました。

そして一番嬉しかったのが、「青空文庫」。著作権の切れた、夏目漱石や太宰治、坂口安吾などの著作を無料で配布されているのです。

ということで、電子書籍デビュー1作目は、久しぶりに定番夏目漱石の『こころ』を読みかえしてみました。

毎回読み返すたびに感じるものが異なるのですが、今回特に心に引っかかったところを引用します。

「すると夏の暑い盛りに明治天皇が崩御になりました。その時私は明治の精神が天皇に始まって天皇に終わった気がしました。最も強く明治の影響を受けた私どもが、その後に生き残っているのは畢竟時代遅れだという感じが激しく私の胸を打ちました。・・・」

 

今年「平成最後の夏」とメディアなどでよく騒がれていました。

そして、平成の歌姫・安室奈美恵さんの引退、「平成のサザエさん」ともいわれる「ちびまる子ちゃん」の作者・さくらももこさんの死。なんだか平成の終わりを象徴しているようで、明治天皇・乃木大将の死を受けての「先生」や主人公の父の心情と思わず重ね合わせてしまいました。

平成生まれ平成育ちの私。漱石が明治の終わりに「明治の精神」について思いを巡らしたように、平成の終わりにあたって、「平成」とはどのような時代だったのか、「平成の精神」があるとすればどのようなものなのか、そして平成生まれの私たちは平成の世が終わった後どのように生きて行くのだろうか、などと思わず考えこんでしまっている今日この頃です。

同じく平成生まれ平成育ちの中高生の皆さん、皆さんはどのように考えますか?