賢い女性   大谷真以子

先日、テニスの四大大会である全米オープンで日本人の大坂なおみ選手(20)が優勝しました。日本人初の四大大会優勝に日本中が沸き立ちました。

September 8, 2018 – 2018 US Open Women’s Singles Champion Naomi Osaka.

彼女の決勝戦の相手は女子テニス界の女王、アメリカのセリーナ・ウィリアムズ選手。大坂選手の憧れの存在であり、グランドスラム合計優勝回数男女通して現役1位の「テニス界の女王」です。この全米の決勝戦は、彼女にとって昨年の出産を経て現役復帰後初のグランドスラムの優勝がかかった試合でした。

決勝戦での大坂選手のプレーは素晴らしかった。「コートに入ったらセリーナも一選手。憧れの存在であることを意識せず、試合に集中できた」と語ったように、観客がセリーナ選手の優勝を望む完全アウェーの中、冷静沈着、キレのある彼女らしいプレーで相手を圧倒し、優勝を勝ち取りました。一方のセリーナ選手は、思うようなプレーができないいら立ちからラケットを破壊したり、審判に暴言を吐くなど、「女王」らしからぬ言動が多く見られました。優勝トロフィー授与のセレモニーは、セリーナ選手の優勝を願っていた観客らの審判に対するブーイングの嵐に包まれました。大阪選手はセリーナ選手に慰められ少し笑顔は見せたものの、インタビューでは、涙ながらに自分の勝利を観客に謝罪しました。彼女のキャリアの中で最も喜ばしく、輝かしいはずの瞬間なのに…と見ていて悲しくなりました。と同時に、彼女のふるまいは、彼女が真の意味でのチャンピオンであることを証明していることを強く感じ、とても誇らしくなりました。

この件はネット上でも多くの物議を醸しました。試合後、大坂選手はいくつかのアメリカのトークショウやニュース番組に出演し、この件について多くの質問を浴びせられましたが、決勝戦の彼女のプレイ同様、冷静に誠実に(ときおり彼女らしい天然なコメントも交えながら)対応し、その一つひとつに彼女の謙虚さが表れていました(今回の件を大きく報道したいテレビ局側が望んでいたような回答ではなかったでしょう)。その様子を見ていて、いつも校長先生がおっしゃる「賢い女性」とは彼女のような人のことを言うのだな、と思いました。彼女であれば、今後テニス界で輝かしい成績を修め、トップに居続ける存在になっても、後進の選手たちのお手本であり続けてくれるでしょう。これからの大坂選手のさらなる活躍を期待して応援していきたいと思います。

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